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新見正則「医療の極論、常識、非常識」

自分は実行しないことを患者に指導する医師たち…肥満の医師がメタボ指導は許されるのか

文=新見正則/医学博士、医師

 常識君の解説です。

「日本呼吸器学会の専門医の申請には、非喫煙者であることが必須条件になっています。でも日本肥満学会の専門医の申請には、本人が肥満でないことの必須要項はありません。日本糖尿病学会の専門医申請にも、肥満の医師はなれないといった記載はありません」

 確かに医療の現場からは、健康でいるためには太り過ぎず、適度の運動を行って、ストレスを減らしたり、禁煙を励行したり、アルコールを減らせといったメッセージが発信されます。でもそんなメッセージをどこまで真剣に勧めるかは、いろいろと温度差がありますね。確かに『どこまで本気ですか?』と尋ねたくなりますね」

 ここで“極論君”の意見です。

「僕は飛行機の離発着時に通信機能をオフにするよう指示されれば、それに従っています。そして医療でも、もしも太った先生に痩せろと言われても、また喫煙している先生に禁煙を勧められても、それに従いますよ。彼らが本当の専門家であれば、彼ら自身のことは問題ではありません。彼らは痩せたくても、禁煙したくてもできない事情があるのかもしれません。特別逆らう事情がなければ、そんな一見おかしなお願いも受け入れています。僕は自分がより健康でいたいので、それを勧める医師の体型や喫煙歴は問題にはしません」

 なんだか今回は、極論君が聖人のように思えてきました。
(文=新見正則/医学博士、医師)

新見正則/医師、新見正則医院院長

新見正則/医師、新見正則医院院長

外科専門医 /消化器病専門医 /消化器外科専門医 /消化器内視鏡専門医
慶應義塾大学医学部卒業後、外科医として研鑽を積む。大学病院や関連病院で診療にあたるほか、英・オックスフォード大学にて博士課程を修了。
新見正則医院 公式サイト

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