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225万年周期で天の川を周回するボイジャー
1号と2号の観測によって、太陽系惑星の美しく不思議な姿はもちろん、宇宙空間は静かな無の世界ではなく、エネルギー粒子が激しく飛び交う過酷な環境であることも確認されました。電力は次第に低下しているため、いくつかの観測装置を停止して節電しても、30年までには完全に停止せざるを得ないとNASAの追跡チームは考えています。
しかし、ボイジャーは観測する目や地球に情報を伝える言葉を失っても、時速5万kmの猛スピードで飛行を続け、225万年周期で天の川銀河を周回するものと考えられています。
冒頭で「地球には戻らない」と書きましたが、限りなくゼロに近い確率の中で225万年後に地球に再度接近することになったら、私たちはボイジャーに「おかえりなさい、地球は君たちが旅立ったときのまま、今でも美しく生命に満ちあふれた惑星だよ」と伝えることができるでしょうか。
なお、ゴールデンレコードに収録された音声や写真は下記【※1】で見ることができます。
(文=中西貴之/宇部興産株式会社 環境安全部製品安全グループ グループリーダー)
【※1】
「Voyager – Images on the Golden Record」
【参考資料】
「NASA ジェット推進研究所ニュース 2017年7月31日号」
「NASA’s Voyager Spacecraft Still Reaching for the Stars After 40 Years」
『宇宙と地球を視る人工衛星100 スプートニク1号からひまわり、ハッブル、WMAP、スターダスト、はやぶさ、みちびきまで』 地球の軌道上には、世界各国から打ち上げられた人工衛星が周回し、私たちの生活に必要なデータや、宇宙の謎の解明に務めています。本書は、いまや人類の未来に欠かせない存在となったこれら人工衛星について、歴史から各機種の役割、ミッション状況などを解説したものです。
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