「片づけ=捨てる」の罠、逆に無駄な買い物増加…「捨てない片づけ」メソッド&収納グッズ
近年の片づけブームで、「片づけ=捨てる」というイメージが強くついてしまったせいか、片づけることに挫折してしまった方が多いと聞きました。特にコロナ禍での片づけでは、一気にモノを捨ててしまい、後悔してまたモノを増やすという状況になっているご家庭があるようです。
多くの方は、「片づけは捨てること」と思っているので、「片づけしよう!」→「さあ捨てよう!」になってしまっているようです。そう思うことは仕方ないですが、あまりにも「捨てる」が先行し、一気にモノを手放してしまうとリバウンドすることがあるので気をつけてくださいね。
そもそも片づけの目的は捨てることなのでしょうか? 13年間いろいろなお客様のお宅に伺って、私が行ってきた片づけは捨てることを目的とした片づけではなく、本当に必要なモノと、そうじゃないモノを見極め、必要なモノをさらに種類ごとに分けて定位置を決めることでした。
私は長い経験のなかで、捨てることを目的とした片づけをすると、ほとんどの方がリバウンドしてしまうことに気がついたのです。なぜかというと、捨てるということが目的となってしまっているため、モノをしっかり見ないで手放してしまうためです。そういう手放し方をすると、後から必ず「あれを捨てなければよかった」「これも必要だった」ということになります。
結局捨てたものを買いなおし、無駄な買い物が増えてしまったり、前と同じようにモノがあふれてしまったり。捨てる前と同じような状況にリバウンドしてしまいます。
ダイエットも同じですよね。ただ痩せたいその気持ちだけで、間違ったダイエット法で痩せても、すぐにリバウンドしていまいます。必要な栄養はしっかりと摂取し、不要な栄養は、できるだけ排除する。体重の数字だけを減らすことを目的とするとバランスをくずしてしまいます。
片づけもダイエットと同じ。捨てることを目的とするのではなく使いやすくすることを目的としてください。目的を変えると自ずと何から始めたらいいかわかりますね。まずは、自分が何をどれだけ使っているか把握するために、モノを分けることからスタートです。
捨てない片づけ、3つのポイント
では、具体的に私の新刊『10分でスッキリ捨てない片づけ!」』から少し抜粋してお伝えしたいと思います。捨てられない皆様は、ぜひ参考にしてみてください。
書籍では、5つのメソッドを掲載していますが、ここではそのなかから3つのポイントに絞ってご紹介します。
(1)モノを種類ごとに分ける。
(2)明らかにわかる不要なモノは処分する。
(3)トレーやカゴでまとめて定位置を決める。
早速、よく見かけるダイニングテーブルの上を3つのポイントで片づけてみたいと思います。
(1)種類ごとに分ける
乱雑に置かれているモノをカゴを使い、種類毎(お菓子、調味料など)に分けます。今回使った収納グッズは2個。
トリムバスケットの特徴は側面に穴が開いていないこと。前から見るとシンプルに見えるのでオススメです。並べて使うとキレイに見えますよ。今回はお菓子を入れています。
中に仕切りが2枚ついているので、入れたいモノの大きさに合わせて仕切りを移動することができます。今回は、前列に調味料、仕切りを間に入れて後ろにその他のものを入れています。
(2)明らかにわかる不要なモノを処分する
種類ごとに分けていくと、今まで気が付かなかったゴミなどが目に付くようになります。分けている途中から明らかにゴミと思われるモノは処分していきましょう。
(3)トレーやカゴでまとめて定位置を決める。
種類別にまとめ収納グッズに入れたら、モノを置く場所を右側に決めました。たったこれだけでスッキリ見えませんか? 散らかって見える原因は、モノを分けずにバラバラと置いてしまうから。3つのポイントで片づければ、バラバラとモノを置くこともなく探しやすくなります。捨てるのが苦手な方は、一度試してみてくださいね。
今までさまざまなお客様のご自宅を訪問してきましたが、モノが多くあっても幸せな家庭が沢山ありました。また、その逆もあります。SNSで紹介できるほどキレイに片づいているお部屋だから家族が幸せなのかというと、そうじゃない家庭もありました。
モノの量で幸せを決める時代は終わったのだと最近感じています。これからは、モノがあってもなくても「心地よい部屋」「探しやすく管理できる部屋」なのではないでしょうか。
今回は、3つのポイントの紹介でしたが、『10分でスッキリ!捨てない片づけ』では
もっと具体的に5つのメソッドとそれぞれのエリアの事例を片づけレシピで紹介しています。よかったらご覧ください。
(文=中山真由美/整理収納アドバイザー、RittaStanza CEO)