震度6で9割倒壊!? 助成金600万円ですぐに耐震工事しろ!
だろう…。(「Thinkstock」より)
家族を守る家が、大地震や自然災害で一転、命を脅かす凶器になることがある。特に古い木造住宅に住む人の中には、自宅の耐震性に不安を感じている人も多いだろう。
私自身、築37年、1973年に建てられた旧耐震(建築基準法が改正された81年以前)の木造家屋に住んでいる。ただし、耐震診断を受け、必要に応じた耐震補強工事を行っている。古い木造家屋も同様に適切な耐震補強工事をすれば、安心して住み続けることができる。それも最高600万円まで、工事費の半額を助成金でカバーすることもできる。この制度を使わない手はない。
その前に知っておきたいのが、今年4月、東京都防災会議が発表した首都直下型地震(東京湾北部地震)の被害想定だ。これによると、マグニチュード(M)7.3の東京湾北部地震(冬の午後6時、風速毎秒8メートルの場合)が発生した場合、死者9641人、全壊建物は11万6224棟に上り、焼失する建物は20万1249棟に及ぶ。2005年の前回試算時より死者は約1.5倍に増えたが、建物被害は減っている。その理由は、耐震性が低い81年以前の木造家屋の数が大幅に減少したことが挙げられる(131万8948棟→96万5584棟)。
同会議では、木造家屋の耐震性を、建築された年により「旧築年」「中築年」「新築年」の3区分に分け、倒壊の危険を予測している。それぞれの節目となっているのは61年(木造壁率の基準強化された年)、71年(RC造帯筋の基準強化された年)、81年(新耐震基準の導入された年)だ。
阪神大震災の後、00年にも耐震基準法が見直されている。ただ、同年以降の住宅は、より耐震性が高いかといえば、そうとも限らない。適正な工事が行われていなければ、耐震性が高いとはいえない。
ほかにも、目を疑うデータがある。住宅リフォーム業者などでつくる日本木造住宅耐震補強事業者協同組合(木耐協)が06年4月~11年11月に耐震診断を実施した全国の木造住宅のうち、なんと90.32%もが震度6強クラスの地震で倒壊の恐れがあることが判明した。東京都では診断対象1859棟のうち92.74%は、倒壊の恐れがあるという。木造家屋に住む人にとってみれば、もはや他人ごとではない。
自宅の耐震性に少しでも不安がある人は、一度専門家に見てもらうことをおすすめする。無料で耐震診断を受けられるため、各市区町村に問い合わせてほしい。
最高300万円! 工事費の半額が支給される!
市区町村ごとに耐震工事の助成金制度があるため、これも併せてチェックしておきたい。たとえば、中央区では耐震工事費用の半額が最高300万円まで支給される。新宿区では同200万円まで受け取ることができる(ただし、受給条件があるため、詳しくはそれぞれの自治体のホームページを参照)。これは、企業が多く税収の多い中央区や新宿区ならではのメリットだ。