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内藤誼人「知っているとヤバい心理学」

スポーツで赤色を着ると「勝つ確率」が高くなるとの調査結果…仕事でも成果向上

文=内藤誼人/心理学者、立正大学心理学部客員教授、アンギルド代表
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スポーツで赤色を着ると「勝つ確率」が高くなるとの調査結果…仕事でも成果向上の画像1「Thinkstock」より

 赤色を身につけているだけで、勝率がアップすると聞いたら、みなさんは驚くでしょうか。

 しかし、実際に赤色は「勝利を呼び寄せる色」であることが、科学的な心理学の研究でも明らかにされているのです。

 一流科学雑誌である「ネイチャー」に発表された論文をご紹介しましょう。論文を発表したのは、英国ダラム大学のラッセル・ヒル。ヒルは、2004年のアテネ・オリンピックで行われたグレコローマンスタイルのレスリング、フリースタイルのレスリング、テコンドー、ボクシングの全試合、457試合についてのデータを集めました。

 そして、赤いウェアを着ていた選手が、青いウェアを着ていた選手に勝ったのかどうかを調べてみたのです。ちなみに、赤いウェアと青いウェアのどちらを着ることになるのかはランダムに決まるので、選手が自分で選ぶわけではありません。「僕は赤が好きだから」ということで、いつでも赤いウェアを着るわけにはいかないのです。

 さて勝率についていうと、4つの競技すべてで、「赤いウェアを着ている選手が断然多く試合に勝っている」という衝撃の事実が明らかにされました。赤いウェアの選手は、試合全体の55%パーセントで勝っていたのです。

 赤いウェアを身につけた選手は、全身の血がたぎってきてパフォーマンスが向上するということです。いってみれば、合法的なドーピング。ウェアの色によって有利・不利が生まれてしまうわけですから、そのうちにこれらの格闘技では、ルールの改正やウェアの色の変更などが行われるかもしれません。赤色を着ているほうが絶対に有利なわけですから。

 ただ、「赤色を着ていると、人は強くなれる」ということは、昔から知られていました。日本の戦国時代においても、武田信玄は兵士たちに“赤備え”の格好をさせることで最強の騎馬軍団をつくり上げました。武田の赤備えを見ると、勇猛で知られる三河武士でさえ震え上がったといいます。

 アメリカの大統領選挙でも、候補者たちはみな赤色のネクタイを身につけてマスコミの前に現れることが多いですね。赤色を身につけることで、自分の気持ちを高ぶらせることができ、最高の自己アピールができることを経験的に知っているのでしょう。

 ものすごく大事な商談やプレゼンテーションを控えている人は、ぜひ赤色のものを身につけるようにしてください。人前に見せるのが恥ずかしいのであれば、赤色の下着でもいいと思います。

 赤色を身につけていると、私たちの身体は自然に活性化し、普段以上のパフォーマンスを見せてくれるでしょう。
(文=内藤誼人/心理学者、立正大学心理学部客員教授、アンギルド代表)

内藤誼人/心理学者、立正大学心理学部客員教授、アンギルド代表

内藤誼人/心理学者、立正大学心理学部客員教授、アンギルド代表

心理学者、立正大学心理学部客員教授、アンギルド代表。

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