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ブロッコリー、「栄養トップ級」で驚異的効能…指定野菜になれない事情

文=小倉正行/フリーライター
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ブロッコリー、「栄養トップ級」で驚異的効能…指定野菜になれない事情の画像1「Thinkstock」より

 ビタミンCやビタミンB群を豊富に含み、カロテンや鉄分も補給できる野菜として、食卓にのる機会が増えているブロッコリー。疲労回復や美容に期待ができるビタミンCの含有量は野菜でもトップクラス。また、ブロッコリーに含まれるポリフェノールの一種であるスルフォラファンは、米ジョンズ・ホプキンス大学のポール・タラレー氏らによってがん予防効果があることが解明され、肝機能の向上や新陳代謝の向上にも寄与するとの研究成果も指摘されている。

 このような人気が高く消費も拡大しているブロッコリーであるが、2016年には日本で12万7000トン生産されている。主な産地は、北海道(作付面積2470ha)、埼玉県(1300 ha)、愛知県(927 ha)、香川県(902 ha)、長野県(836 ha)となっている(2014年時点)。

 野菜生産出荷安定法で指定野菜とされている14品目とブロッコリーの2000年と16年の生産量推移(文末の表1)を見ると、ブロッコリーの生産量が1.81倍とダントツで増えていることがわかる。また、16年の生産量も指定野菜のピーマンと肩を並べ、指定野菜の里芋の生産量を超えていることがわかる。十分に指定野菜の資格を持っているといえる。
 
 では、野菜生産出荷安定法とは、どのような法律なのであろうか。同法第1条には、その目的・役割が以下の通り明記されている。

「この法律は、主要な野菜について、一定の生産地域におけるその生産及び出荷の近代化を計画的に推進するための措置を定めるとともに、その価格の著しい低落があった場合における生産者補給金の交付、あらかじめ締結した契約に基づきその確保を要する場合における交付金の交付等の措置を定めることにより、主要な野菜についての当該生産地域における生産及び出荷の安定等を図り、もって野菜農業の健全な発展と国民消費生活の安定に資することを目的とする」

 指定野菜の価格が下落した時に生産者補給金を生産者に交付することによって、生産者の経営を守るというものである。今、指定野菜はキャベツ、きゅうり、里芋、大根、たまねぎ、人参、トマト、白菜、ナス、馬鈴薯、ねぎ、ピーマン、ほうれん草、レタスの14品目。これらの14品目は、私たちの食生活には欠かせない野菜ばかりである。当然指定野菜として守られなければならない。

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