「今の地震、震度4だって」。私たちは、普段こんな会話をしているのではないでしょうか。
ここ最近、日本列島で地震が頻発していますね。地震そのものの大きさを表す「マグニチュード」より「震度」という表記のほうが馴染みがあります。
実はこの「震度」という表現は日本独自で、外国にはありません。では、この震度は、どのように決められているか、ご存じですか? 1996年の初めまでは「人の体感」と「被害の程度」で決めていました。そのため、地震発生から情報を収集して発表するまでに、10分以上はかかっていました。体感という個人的主観の違い、被害の程度も建物の耐震性の違いなどもあり、客観性のある尺度としては不十分なものでした。
さらに、同じ地震でも地盤によって伝わり方、揺れ方が変わります。私たちができる防災は「地震に強い家」に住むことですが、家を支える「地盤」について、どれほど知っているでしょうか。また、地震に対して強い街かも気になるところです。
地震ハザードマップで簡単に、自分の住んでいる土地が「地震に対して強いか弱いか」を知る方法があります。ハザードマップといえば、「洪水、浸水、土砂災害」を頭に浮かべる人が多いと思いますが、地震ハザードマップというものも存在します。その種類は「揺れやすさマップ」「地域の危険度マップ」「液状化マップ」などで、ほかにも数種類あります。
・揺れやすさマップ
同じ強さの揺れを発生させた場合に、地域の地盤において、どれだけ地表面で揺れるかを想定し表示したものです。つまり地盤の違いによる地表面の揺れやすさを表した地図です。
・危険度マップ
具体的には「古い木造住宅が密集している」「地盤が緩くて建物が倒壊する恐れがある」「道路が狭く消防車が入れない」など。全壊する建物、火災の延焼などの可能性が、危険度の数値に影響します。
・液状化マップ
水を多く含む砂質土が、地震の震動で固体から液体の性質に変わり、地面から噴き出してくる現象です。液状化現象は、家を傾けさせたり、地下の下水道管をせり上がらせたりします。砂丘地帯や三角州、池沼跡・水田跡などの埋め立て地で発生します。
・活断層マップ
地球規模のプレートの移動によって、断層は生まれます。活断層による大地震発生間隔は1000年から数万年と非常に長いのが特徴です。日本では2000以上もの「活断層」が見つかっています。
劇的に増えた観測点
現在では、地震観測は機械による自動計測機器となり、観測点も全国150カ所から4375カ所(令和3年現在)まで増えました。地震発生から地震速報までの時間は早くなり、さらには「緊急地震速報」のような、地震の揺れが伝わる直前の警告も可能になりました。高齢者に「昔より地震が頻発している」と感じる方が多いのは、観測点が劇的に増えたことで、地震速報が増えたことが影響しています。
地震による被害を軽減するには、地震ハザードマップでの確認、地盤調査、地盤改良、耐震住宅がカギとなります。各自治体の地震ハザードマップは、以下で確認することができます。
(文=草野かおる/イラストレーター・防災士)