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サプリや健康食品、無意味で健康被害の可能性

構成=長井雄一朗/ライター
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――広告なので当たり前ですが、体験談もいいことしか書いていませんね。

梅垣 健康食品に限らず、人間は「自分が信じたい情報を信じる」という習性があるようです。そのため、広告や体験談を読むと、それに飛びついて購入してしまうのです。健康食品の広告や販売手法は、どれも似ています。その手法を知れば、悪徳業者や商品を排除するという考えが生まれてくると思います。

 高齢者については、健康食品による健康被害もあります。たとえば、「健康食品を摂取しているから」と医薬品を飲まなくなり、病気を悪化させるケースです。健康食品を過信して医療を軽視するというのはあってはならないことですが、そうした実態もあるのです。

 我々はパンフレットやリーフレットを作成するなど、さまざまな啓発活動を行っていますが、まだまだ不足しているというのが実感です。

幼児にサプリメントを摂取させる親も

――高齢者を親に持つご家族が、しっかりと親に悪徳業者の実態を教えることも大事ですね。

梅垣 そうですね。それぞれのご家族が高齢の親御さんに「これは広告だから」と教えることが大事です。

 先ほど健康被害について指摘しましたが、実は健康食品では経済被害のほうが圧倒的に多いです。消費者生活センターには「健康食品を購入したが、思ったほど効果がないので返品したいのに業者が応じてくれない」という相談が多く寄せられています。騙されないためにも、普段から親子間でコミュニケーションを取ることが大事です。

 品質が確かな医薬品のビタミン剤でも、価格はせいぜい2000円ほど。一方で、有効性や安全性の根拠が不明で品質が不確かな健康食品のなかには1万円以上で販売されているものもあります。高額だからといって、より効果が期待できるわけではありません。高額な健康食品を見たときは、その時点で「悪徳業者ではないか」と疑うべきです。

 そのような健康食品ビジネスを行っている業者には、「高齢者からなけなしのお金を奪うようなやり方で商売をしていて、人として心が痛まないのか」と言いたいですね。

――ほかに、健康食品について注意すべき点はありますか。

梅垣 幼児にサプリメントを摂取させる親御さんが1割程度いることです。これは、海外から入ってきた習慣だと思います。

 子どもは確かに好き嫌いがあります。しかし、幼時期はさまざまな味覚、安全な食べ方を学ぶ重要な時期です。あまり偏食に神経質になる必要はありません。サプリメントを安易に与えるより、さまざまな食材をバランス良く食べさせていくことが、子どもの成長や将来の健全な食生活につながります。

 どうしても栄養バランスが気になる場合は、医師に相談するのがベストです。幼児にサプリメントを摂取させるのは、行き過ぎていると考えます。

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