「そのとき、相手の女性が満たされていないように思えたので、『僕は妻ととてもうまくいっていますが、○○さんは旦那さんとうまくいっていますか?』と聞いてみました。相手が結婚しているかどうかはわからなかったのですが、30代できれいな人だったので『既婚だろうな』と思って質問したわけです。
すると、彼女は『実は……』と自分の結婚生活について語り始めました。旦那さんが淡白で『もう1年以上、ベッドをともにしていない』と言うので、彼女の立場になって『たまにはセクシーな下着でも身に付けて誘ってみるといいですよ』などと初歩的なアドバイスをしました」(同)
問題になっているセクハラ音声の主であれば、鼻息を荒くして「僕と試してみない?」とでも言いそうなものだが、そんなことは一切言わずに、その場は別れたという。
「友人関係や仕事関係と同じく、男女関係も結局は縁なんです。縁があれば次も会えますし、『縁がなければそれで終わり』と割り切るのが肝心です」(同)
居酒屋選びのポイントは「90度の座席」?
ほかにもさまざまなアドバイスをして取材を終えた稲垣氏は、最後に「何かあったら、いつでも相談に乗ります」と言って女性記者と別れた。そして翌日、お礼のメールを送るとすぐに返信があり、「今度、お酒でもいかがですか?」と相手から誘ってきたという。
「メールというきっかけを与えたのも『縁をつないでおこう』と思ったからですが、思いがけず相手から誘われたので、お酒をともにしました。お互いが90度の位置でななめに向かい合う居酒屋で2時間ぐらい話しました」(同)
なぜ90度なのか。理由は2つある。親しくなったら相手にボディタッチをしやすいこと、また会話が途切れても相手の目を見ずに済むため、お互いにリラックスできることだ。
「話しているうちに『この女性と、もっと仲良くなりたい』と思うかどうか、自分で自分に確かめることが大切です。なぜなら、男女関係はお互いの感覚が近くなければおもしろくないからです」(同)
会話が進むにつれて、稲垣氏は決してセクハラにならないように相手の反応を見ながら、色っぽい話も混ぜていったという。
「思った以上に話に乗ってくれたので、自分の経験について赤裸々に話しました。さらに、『最初はソフトに始めないとダメなんだ。なぜなら、相手の女性の反応を見ながらプレイしないと独りよがりになるから、おもしろくない』と自分の考えを語ると、『それって女性も同じですよね』などと乗ってきてくれました。
頃合いを見計らって会計を済ませ、『まっすぐ帰る?』と聞くと無言でした。そこで、肩を抱いてホテル街のほうへ歩いてみると嫌がる素振りをしなかったので、そのままチェックインしました」(同)