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逮捕4回、通算服役12年の私が語る「獄中と覚醒剤のリアル」

構成=編集部
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――覚醒剤に手を出したのは、なぜだったんでしょうか?

中野 直接の原因は失恋ですね。当時のカレに裏切られて何もかも嫌になったんですが、好奇心もありました。その頃の私はすでにバツイチで子どもがいましたが、自暴自棄になって手を出してしまったんです。

 最初の頃は、「多幸感」というそうですが、「シャブって、こんなに楽になるんや……」とびっくりしました。失恋はもちろん、つらいことは全部忘れられましたね。でも、そんなのは最初だけ。慣れてしまうと、一瞬は気持ちいいけど、すぐに戻ってしまうようになります。効いているうちはいいけど、切れるとしんどくて何日も寝込むんです。

 幻覚も見えました。マッチなどのモノが話しかけてきたり、電柱が人に見えたり。あとは、毎日「警察官が突入してくる」とか思っちゃって……。「存在しない敵」と日々戦っていましたよ。それで、しんどいし不安だから、また使う。その繰り返しです。お金はなくなるし、体もどんどん蝕まれていきます。

 すぐにバイ(密売)もするようになって、知らないうちに周囲が覚醒剤使用者のグループだらけになっちゃったんです。

――シャブを買うお金のために密売や売春をするケースは多いようです。

中野 そうなんです。私はバイだけですが、始めるまでに時間はかからなかったですね。出身地の大阪は不良の町でもあるし、私のセールス能力はハンパなかったですよ。「売り子」という子分も増えて、隠し通帳には毎日毎日、100万円単位でお金が入ってきていました。

――儲かってしまうと、なかなかやめられないですよね。周囲との関係は変化しましたか?

中野 そうですね……ポン中(覚醒剤中毒者)の知り合いは増えましたが、昔からの友だちは去っていきました。でも、その頃はシャブで頭がおかしくなっていたので罪悪感はなく、犯罪が当たり前になっていたんです。周囲はシャブの売人だけでなく、窃盗団や詐欺師などの犯罪者ばっかり。

「どうせいつかは逮捕(パク)られるんやから、今のうちに楽しんどこ」くらいの感じで、むしろ「忠告したり去っていく友だちなんか、ホンマのダチと違う」みたいに考えていましたね。昔の友だちのなかには、私がシャブの地獄と塀の中から戻ってきた今でも、信じてくれない人も多いです。自業自得ですが、寂しいですね。

『女子刑務所ライフ!』 覚醒剤で逮捕4回、通算服役12年。あの強盗殺人犯も、某カルト教祖の妻も、放火魔も、みんな同じ塀の中! いじめ、介護、出産、同性愛……獄中のリアルを全部ぶっちゃけます。100人でシャワーを奪い合い、刑務官の派閥争いに巻き込まれ、運動会では大乱闘……! シャブ地獄から生還した元女囚が綴る、“懲りない女たち”の修羅場。 amazon_associate_logo.jpg

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