高級車のナンバー偽造で初の逮捕
――初めての逮捕は23歳と、まだお若いときですね。
中野 いちばん若くてきれいなときを、ほぼ塀の中で過ごしました。直接のきっかけは、シャブではなく高級車のナンバープレートの偽造でした。高級車を盗んで、偽造プレートを付け替えるんです。1枚5万円くらいで。
最初は偽造とは知らなくて、「へぇー。ナンバープレートってこうやって付けてるんや……」なんて思っていました。今もですが、そういうことにうといんです。それで、つくったプレートを売るのに待ち合わせたラブホテルで取引相手に通報されました。取引相手がお金を持ってこなくてモメてしまい、匿名で警察に通報したんですね。あとで刑事さんに聞いたら、匿名で「○○というラブホの□□号室で女に脅されている」と電話があったそうです。
私はそんなことも知らず、部屋でひとり待っていました。夕方くらいにドアチャイムが鳴ったのでドアを開けたら、警察官が10人くらいダダダッと入って来て「動くな!」と。このとき、覚醒剤も30gくらい持っていたので、そのまま御用となりました。
――なるほど。別件で逮捕されてしまったんですね。
中野 そうなんです。この逮捕の勾留中に、シャブの禁断症状もデビューしました。体中がしびれて動かないんです。苦しくて苦しくて、殺される夢や追われる夢ばかり見てうなされていました。
――このときは執行猶予で、その後にまた逮捕されています。
中野 はい。執行猶予期間中でした。自分で言うのもアレですが、薬物犯罪は初犯の執行猶予はいらないと思いますね。このときは鳥取県まで覚醒剤を渡しに行くことになっていて、相手の都合で取引が翌日になったので、その晩は鳥取に泊まったんです。
ホテルの部屋で寝ていて、夜中にドアがガチャガチャッて鳴ったと思ったら、やっぱり大勢の刑事さんが「動くな!!」ってなだれ込んできました。
「アカンもん出さんかい!」
怒鳴りながら、私のツレの男を全裸にして四つんばいにさせました。ベッド脇のテーブルには、私の下着と翌日の取引に使う100gの覚醒剤が入った袋が置いてあります。これが見つかったらまずいので、私はとっさに全裸になりました。
「私も検身すんやろ?」
マッパでズズズッと距離を縮めていくと、さすがに刑事さんたちもお手上げです。
「わ、わかった。もうええ。服を着てくれ」
してやったりと私はテーブルに手を伸ばし、下着と覚醒剤の袋を取ってトイレに行き、覚醒剤はトイレに流して証拠隠滅。これが見つかっていたら、かなり罪が重かったと思います。
『女子刑務所ライフ!』 覚醒剤で逮捕4回、通算服役12年。あの強盗殺人犯も、某カルト教祖の妻も、放火魔も、みんな同じ塀の中! いじめ、介護、出産、同性愛……獄中のリアルを全部ぶっちゃけます。100人でシャワーを奪い合い、刑務官の派閥争いに巻き込まれ、運動会では大乱闘……! シャブ地獄から生還した元女囚が綴る、“懲りない女たち”の修羅場。