毎年、土用の丑の日の前後は酷暑が続きます。疲労困憊の体が求めるのはそう、やっぱり「うなぎ」。店先から漂ってくる香ばしいあの香り――。「ああ食べたい! けど、高い……」。今年はニホンウナギの稚魚「シラスウナギ」の歴史的な不漁に伴い、国産うなぎの価格が例年以上に高騰しているとか。うなぎの蒲焼きはもはや、庶民が食べられる料理ではなくなったというのは、言い過ぎでしょうか。
そこで今回は、スーパーで買える手頃な食材だけで、うなぎの蒲焼きをつくってみました。こうした手法は「もどき料理」といわれ、中国から伝来した精進料理から生まれたものです。雁(がん)の肉に味を似せてつくられた「がんもどき」は、馴染みが深いでしょう。
今回は、「うなぎの蒲焼風2種類」と「ひつまぶし」「もはや蒲焼じゃないけどおまけ1種」をご紹介します。
焼き目の香ばしさが本物そっくり! 「ナスを使ったうなぎの蒲焼風」
実は、うなぎのタレを手づくりするのは非常に簡単です。砂糖、みりん、しょうゆを「1:1:1」で混ぜ合わせ、軽く煮詰めればOK。この比率さえ覚えておけば、簡単に蒲焼風が出来上がります。では早速やってみましょう。
【材料(1人分)】
ナス 2本
A
砂糖 大さじ1
しょうゆ 大さじ1
みりん 大さじ1
サラダ油 小さじ1
粉山椒 適量
【つくり方】
(1)ナスは皮をむいて1本ずつラップで包む。電子レンジ(600W)で1分30秒加熱する。
(2)(1)を取り出して、浅く切り込みを入れて厚さが均一になるように広げ、表面にフォークで筋をつける。
(3)フライパンにサラダ油を熱して、(2)を両面こんがりと焼き色がつくまで焼き、混ぜ合わせたAを加えて、かるく煮詰めてナスに絡める。
(4)器に盛り付けて、お好みで粉山椒をふる。
味の染みこみやすいナスは濃いめの味つけがよく合います。「少し焼きすぎかな?」くらいに焦げ目をつけることが風味を近づけるポイント。一般的なスーパーでは、ナスは3~4本の袋入りだと200円以下で買えることが多いので、お財布にも優しいですね。