春になり、暖かくなってきたが、1年を通しても昼夜の寒暖差が激しく、花粉や紫外線が猛威を振るう季節でもある。社会人にとっては、新年度に伴い環境が変化することでストレスも感じやすくなり、肌の調子もゆらぎやすい時期といえる。
肌の状態が不安定になりがちなこの季節に、どんな化粧品を選ぶと良いのか、ビューティサイエンティストで化粧品開発コンサルタントの岡部美代治氏に、春に最適な化粧品の選び方、使い方を教えていただいた。
花粉対策にはバリア機能のある化粧品を
春になると、とりわけ多くの人が悩まされるのが花粉症だ。肌の状態そのものが悪くなるのにくわえ、花粉症の症状で鼻をかみすぎたり、目をこすったりする影響で、とにかく肌が荒れやすいもの。「花粉の付着を防ぐために、ファンデーションはパウダータイプがおすすめ」というのは、花粉症に悩まされる人なら一度は聞いたことがある話だろうが、実際のところ、花粉対策にはどんな化粧品を選ぶといいのか。
「まず、パウダーファンデーションだから花粉の付着が抑えられるかというと、そこまでの効果は期待できません。花粉症の症状はコスメでカバーできない、鼻や目の周りの粘膜部分に出ますから、ファンデーションの質感を変えることは、あまり効果的な対策とはいえません」(岡部氏、以下同)
岡部氏が言うには、ファンデーションの質感よりも重視すべきなのは、機能性だという。
「近年、花粉を防ぐ機能を持つ化粧品が多数出てきています。資生堂から出ている『dプログラム』というシリーズは、花粉はもちろん、空気中のチリやホコリからも肌を守ってくれるアレルバリアテクノロジーを搭載した優れものです。ベースコスメをこのようなバリア機能があるものに替えるのもいいですし、メイクの上からでも使えるミストなら普段使っている化粧品は替えずにプラスワンするだけで花粉対策になります」
化粧品の選び方以外では、メイクの落とし方や、スキンケアの方法を見直すことも、効果的な対策のひとつだ。
「花粉の時期だからと、特別なクレンジング料や洗顔料を使う必要はあまりありません。それよりも、花粉や目に見えない汚れが落ちることを意識して、優しく丁寧なクレンジングと洗顔を心がけてみてください。それだけでも、少しは肌のゆらぎを抑えられると思いますよ」