ファミリーマートといえば、セブン‐イレブン、ローソンと並ぶコンビニ業界大手チェーン。店舗数は国内外合わせて2万4996店(2022年1月31日時点)に上り、コンビニ業界の店舗数ランキングで1位の座についている。
「あなたと、コンビに、ファミリーマート」というキャッチフレーズで知られている同社は、昨年9月に創立40周年を迎えたことも記憶に新しい。現在は40周年を記念したキャンペーン“40のいいこと⁉”に取り組み、消費者に新たな驚きや喜びを与えようとしているようだ。
しかし、話題の商品が目を引く一方で、この冬のファミマのラインナップのなかには、少々微妙に感じるものもチラホラある様子。そこで、今回はファミマの“今、要注意な5品”を選出したので紹介していこう。
山桜チップで燻したスモークサーモン/378円(税込、以下同)
「山桜チップで燻したスモークサーモン」はその名の通り、ノルウェー産のサーモンを山桜のチップで燻した商品。封を開けると、程よく燻製されたサーモンからほのかにスモーキーな薫りが漂ってきた。
実食してみると、ねっとりまろやかな口当たりに驚かされる。燻すなかで余計な水分が抜けているためなのだろうか。肝心の味も、脂がのったサーモンの旨味がしっかりと凝縮されており、実に美味。
ただ残念だったのが、少し生臭かったところ。燻製商品ではあるが、生魚によく感じられるアンモニア臭が気になってしまうのだ。わさび醤油に付けたりカルパッチョにしたりして食べれば、生魚の匂いが苦手な人でもより美味しくいただけるかもしれない。
特製ダレの炙り焼牛カルビ重/580円
空腹時はガッツリと肉系の弁当を食べたいという人も多いだろう。ファミマの「特製ダレの炙り焼牛カルビ重」は、そんなときにうってつけの弁当。直火で炙った牛カルビ肉が豪快に入った商品であり、その食べ応えは抜群だ。しかし、肝心の評価は意外にもいまいちといったところ。
なぜなら、牛カルビ肉に絡んだ特製だれがかなりドロドロしているせいで、肉の食感が少々微妙になってしまっているのだ。公式ページで謳われている“香味野菜を含んだコクのあるタレ”は、確かにほんのりフルーティーな味わいで、ごはんにもよく合って美味ではある。だが、牛カルビ肉と合わせて食べると、どうしても特製ダレのネチョネチョとした食感が気になってしまう。
とはいえ、噛むごとにジューシーな牛カルビ肉の美味しさは確かなので、食感はあまり気にならないという方であれば、一度試してみてもいいかもしれない。
ガーリックバターフランス/158円
食欲を刺激する香りがクセになるガーリックトースト。ファミマにはそんな料理を手軽に食べられる「ガーリックバターフランス」というパンがある。豊かな香りが決め手の商品だが、こだわりはいかほどだろうか。
国産の小麦を使用した高加水のフランスパン生地に、ガーリックオイルを塗りこんで焼き上げた本品。一口食べてみると、ガーリックの強烈な香りと風味が口の中を満たし、一気に食欲が刺激された。また、中にガーリックバターフィリングがサンドされており、ガーリックの強烈な味わいだけではなく、バターのコクもしっかりと感じられる仕上がりとなっている。
このように非常に美味しい商品ではあるのだが、想像以上にニンニク感が強く、口にガーリックの匂いが強烈に残ることが避けられないため、食後に対面で人と会う予定がある場合は要注意かもしれない。軽食として最適なサイズ感であるだけに、オフィスでのランチなどの選択肢に入れづらいのは玉にキズだろう。
ねぎとろ巻/398円
ファミマには巻物から握り寿司まで幅広い寿司商品がラインナップされている。しかし、なかにはちょっと首を傾げてしまう商品もある。「ねぎとろ巻」も、そんなちょっと微妙な寿司のひとつといえるかもしれない。
巻物の中のまぐろたたき部分には、きはだまぐろとめばちまぐろが使用されているという。このまぐろ、脂分が少し多い印象で、舌にまとわりつくねっとりとした食感なので、好みが分かれるのではないだろうか。また、本品は冷蔵されているせいか、シャリがもちもちとしておらず、粘り気が感じられないのも残念なポイント。口の中でまぐろとお米が上手く噛み合わず、全体的なバランスがあまり良くない印象を受けた。
とはいえ、購入した店舗の環境や製造からの経過時間によって違いは出るかもしれないので、一概にすべての「ねぎとろ巻」が同じ味わいとはいえないだろう。気になる方は一度購入し、自身の舌で確かめてみてもらいたい。
直巻 唐揚げマヨネーズ/138円
2022年1月1日に放送されたバラエティ番組『ジョブチューン ~アノ職業のヒミツぶっちゃけます!セブン・ファミマ・ローソンの人気商品を一流料理人がジャッジ!』(TBS系)では、ファミマを含む大手コンビニ3社が持ち込んだ商品を有名店シェフがジャッジするという企画が行われた。
番組内ではファミマの「直巻 和風ツナマヨネーズ」(118円)が審査されたのだが、出演したシェフがごはんのツヤとお米のふっくら感のなさについて、「食べたいなって気にさせない」とコメントしたことで、ネットが大きく紛糾したことをご存じの方も多いだろう。
そんな「直巻 和風ツナマヨネーズ」と同じ“直巻”シリーズである「直巻 唐揚げマヨネーズ」。「直巻 和風ツナマヨネーズ」が炊きこみごはんであるのに対し、「直巻 唐揚げマヨネーズ」は普通の白米ではあるが、見た目に大差はない。番組内でシェフが指摘していたごはんのツヤとお米のふっくら感のなさについてはそこまで気にならず、“食べる気にならない”と言いたくなるような印象はなかった。
ただ、肝心の中身の唐揚げが小さく、代わりにマヨネーズの割合がかなり多いのは気になった。そのため、唐揚げとマヨネーズの絶妙なマリアージュが楽しめず、少しくどさを覚えた。唐揚げを大きくするか、マヨネーズを減らすといった改良が施されれば、かなり美味しいおにぎりになる気がする。
今回紹介した商品たちは、美味しい部分は確かにあれど、どこか惜しいと感じてしまうものが多かった。やや辛口気味に解説させていただいたが、あくまでひとつの意見として留めていただければ幸いである。
※情報は2022年2月17日現在のものです。