「業務スーパー」といえば、神戸物産が運営するスーパーマーケット。第1号店のオープンは2000年と比較的歴史は浅いながらも、その低価格と高いクオリティーで熱心なファンを獲得してきた。
当初はその名の通り、飲食店向けの業務用食品の小売業がメインであったが、一般客向けにも販売するようになり認知されるようになった「業務スーパー」。自社製造の食品を数多く取り揃えたことや、世界約45カ国から大きなコンテナでまとめて輸入していること、また問屋を通さない直接取引などのおかげで、高品質かつ珍しい商品の低価格提供を実現させている。
そうした企業努力も支持され、2022年8月末時点で、直営店とFC店合わせて日本各地に982店舗を展開するほどの人気となっている。そこで今回は、豊富なラインナップのなかから“買うべき業務スーパー食品”を5つピックアップ。買い物時の参考になれば幸いだ。
スパイシーカレーチキンレッグ/321円(税込、以下同)
「業務スーパー」にはそのまま食べられる真空パックのオリジナル食品が数多くラインナップされているが、この「スパイシーチキンカレーレッグ」もそのひとつ。
本格的なスパイス香るカレーを低価格で味わえると、ネットでも大評判を呼んでいるこの商品。その最大の特徴は、ホロホロになるまでじっくりと煮込まれた大振りの骨つき鶏もも肉が、なんと2本も入っている豪華さだ。調理方法は封を切らずにそのまま熱湯で約5分加熱する方法と、封を開けてから耐熱容器に移してラップをかけ、500wの電子レンジで約3分加熱する方法の2通りがある。加熱以外の余計な手間がかからないので、手早く食べられるのも大きな魅力といえる。
出来上がりを見ると、骨つき鶏もも肉の圧倒的存在感に改めて驚かされる。細かく砕かれた具材が申し訳程度に入っているレトルト系カレーとは一線を画すその見栄えに、本格カレー専門店に来たかのような気持ちを呼び起こされた。肝心の味わいだが、スプーンでも簡単にほぐれるくらい軟らかな肉質で実にうまい。カレーはスープカレーを思わせるシャバシャバ系。オニオンの深いコクとしっかり目に効いたスパイスの刺激がクセになる大人向けの味わいだ。
やわらか煮豚/548円
次に紹介するのも、「スパイシーチキンカレーレッグ」と同じく真空パックのレトルト食品。この「やわらか煮豚」は、テレビやネットでたびたび取り上げられ、「業務スーパー」ファンの間でも絶品と名高い。レトルトの煮豚は肉質があまり良くないことも多いが、果たしてどれほどのクオリティーなのだろうか。
ネット上で多くの絶賛コメントが挙がっているのは、弾力がありながらもとろけるような不思議な食感だ。それもそのはず、なんと本品は豚一頭からわずかしかとれないタンの根元部分「豚タンルート」を使用しているとのこと。調理方法は封を切らずに熱湯で5分加熱、または封を開けてから耐熱容器に移してラップをし、500wの電子レンジで3分加熱するだけ。
その味わいだが、評判どおり肉質がプルプルでレトルト食品とは思えない驚きのクオリティー。脂と肉のバランスが良く、味付けも醤油と砂糖ベースのシンプルな組み合わせなので、食べていて飽きがこない。おつまみから晩御飯まで幅広く楽しめるマストバイレトルト食品といえるだろう。
トリノで作ったトマト&イタリアンチーズパスタソース/342円
次は「業務スーパー」の魅力のひとつである輸入商品から、「トリノで作ったトマト&イタリアンチーズパスタソース」を紹介しよう。本品はその名の通り、イタリア・トリノで作られた本格パスタソースで、茹でたパスタと絡めるだけでできてしまうお手軽さが魅力。
ネットの記事でもたびたび取り上げられており、「業務スーパー」の広報担当者もお気に入りの一品なのだとか。イタリア産の甘くて濃厚なトマトを使用し、水や保存料は不使用。加えて香り高いパルメザンチーズと生クリームも使用しており、濃厚かつ爽やかな香りの絶品パスタが手軽に楽しめるのだ。
茹でたてのパスタと絡めて実食。トマトのコクと甘みが全面に出た味わいでありながら、嫌な酸味はなく、後味はパルメザンと生クリームのおかげでまろやか。同時にバジルやニンニクの食欲をそそる香りも感じられた。あと引く美味しさだが軽やかさもあり、非常に完成度が高い一品といっていいだろう。
鶏そぼろ/170円
麺の次は白米にぴったり合うお供を紹介しよう。その名もズバリ「鶏そぼろ」というこの瓶詰めは、リピーターが続出し、大容量1kgのお徳用真空パック版まで登場するなど、「業務スーパー」食品のなかでもかなり高い人気を誇っているようだ。
国産鶏肉の旨みがギュッと詰まった鶏ひき肉を、砂糖と醤油、唐辛子を中心に万人に好かれる甘辛風味に仕上げている。ほかほかの白米の上にのせてかき込めば、お茶碗何杯でも食べられそうなやみつきの美味しさを感じられるはず。
味の決め手は鶏そぼろ肉の旨味もさることながら、中に小さく入っているにんじん、ごぼう、しょうが、ごまの風味である。これらが肉の旨みを優しく包むことで、まるで美味しい煮物を食べているような、どこか懐かしい味わいを実現しているのだろう。また、160gも入って170円という抜群のコスパも魅力的だ。
レモンピール&ブラックペッパー/246円
最後に紹介する「レモンピール&ブラックペッパー」も、「業務スーパー」で多くのリピーターを獲得している注目の海外輸入品。この商品は南アフリカから直輸入されているスパイスで、さっとふりかけることでさまざまな料理がグレードアップするという。
本品は各種スパイスが大きな粒状で入っており、上部のミルで直接ガリガリと砕いて使用するタイプ。これにより、挽きたての豊かな香りを楽しめるというわけだ。しかもミル部分はプラスチック製の刃になっているので、時間が経って刃が錆びついてしまうなんてこともない。
中身は、乾燥レモンピールとブラックペッパーのほかに、食塩、乾燥オニオン、乾燥にんにくとなっている。食べると、まずブラックペッパーと乾燥にんにくの食欲を刺激する香りが鼻を抜けていき、次に乾燥レモンピールの柑橘系の爽やかな香りがあとを追いかける。最後に乾燥オニオンのコクがうまく全体をまとめており、かなり美味しい。お肉やお魚の下味にふりかけてもよし、サラダに直接ふりかけてもよしとその使い勝手の良さも注目である。
「業務スーパー」は食べ慣れない輸入品も多く、興味はあっても購入に二の足を踏みがちな印象だが、今回紹介した商品はどれも絶品なので、店舗で見つけた際はぜひ購入を検討してみてほしい。
(取材・文=A4studio)
※情報は全て2022年10月7日時点のものです。