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山本康博「なぜあの商品はヒットしたのか/しないのか」(10月2日)

Mac、なぜ“優れモノ”レッツノートのシェア侵食?マーケ戦略でみる商品力

文=山本康博/ビジネス・バリュー・クリエイションズ代表取締役
Mac、なぜ“優れモノ”レッツノートのシェア侵食?マーケ戦略でみる商品力の画像1右側は物質的価値を訴求するパーツ、左側は情緒的価値を訴求するパーツ。全部のパーツがうまく回ってこそ、ブランドの成否を決定付ける(Copyright(c)2014 business Creations.Inc All Rights Reserved.)

 最近のビジネスシーンでは、アップルのモバイルPC「MacBook Air」を使っている人を頻繁に見かけるようになった。数年前までは、パナソニックの「Let’s note(レッツノート)」が圧倒的多数を占めていたし、Macは一部の例えばクリエイティブ職に携わるような人が愛用する傾向が強かった。

 今回はモバイルPC市場と消費者の意識はどう変わったのか、マーケティングの視点から分析してみよう。

●商品の価値= 物質的価値 + 情緒的価値

 商品の価値とは、「物質的価値」と「情緒的価値」という2つの評価で形成される。物質的価値とは、形や容量、内容や機能、材質など商品そのものや提供される物質的な効果のこと。一方の情緒的価値とは、イメージや気持ち、感情、満足感など、商品を見たり使ったりすることで感じる消費者の精神的働きをいう。

Mac、なぜ“優れモノ”レッツノートのシェア侵食?マーケ戦略でみる商品力の画像2Copyright(c)2014 business Creations.Inc All Rights Reserved.

山本康博

山本康博

ビジネス・バリュー・クリエイションズ
代表取締役、損保ジャパン顧問。ブランドマーケッター。日本コカ・コーラ、日本たばこ産業、伊藤園でマーケティング、新商品企画・開発に携わり、独立後に同社を設立。これまで携わった開発商品は120アイテム、テレビCMは52本制作。1年以上継続した商品は計算すると3割以上、メーカー側でマーケティング実績35年。現在では新商品開発サポートのほか、業界紙をはじめとしたメディア出演や寄稿、企業研修、大学等でのセミナー・講義なども多数実施。たたき上げ新商品・新サービス企画立ち上げスペシャリスト。潜在ニーズ研究家。著書に『ヒットの正体』(日本実業出版社)、『現代 宣伝・広告の実務』(宣伝会議)、2016年スタンフォード大学 David Bradford 名誉教授、ボストンカレッジ Allan Cohen 教授の推薦書として、世界に向けて英著、 “Stick Out”a ninja in Japanese brand marketingを全世界同時発売開始。『Stick Out~a ninja marketer』(BVC)、現在ブレイク中で話題のAmazon書籍総合1位も獲得したベストセラー『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』(致知出版)の一人として8月1日執筆など。

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