ユーザーのモラル崩壊で荒れるメルカリの現状
一部ユーザーのモラルが崩壊しているメルカリでは、「騙されたほうが悪い」という状況になっているようだ。なかでも、たちが悪いのが「無在庫販売」だという。
これは「Amazon」や「楽天」などの通販サイトから適当な商品を選び、その写真や説明文を盗用し、さらに価格を割高にしてメルカリに出品する。商品が売れたら、そこで初めて通販サイトから購入して転売するという手法だ。これも明らかな規約違反である。
「このようなユーザーは、メルカリの出品・販売を効率化させるために非公式の『ツール』を使っていることが多く、運営側も対策として使えなくしたり1日の出品数を規制したりしていますが、完全にはなくなっていないようです」(同)
こうした現状について、メルカリ側は「犯罪抑止のため全国の捜査機関や公的機関と情報交換を行い、そこで得た知見をカスタマーサポートのパトロールに活用しています」と説明しており、特に偽ブランド品や著作権侵害物には目を光らせているという。
また「ヒト・システムによるパトロール」も行い、「24時間365日の体制で禁止出品物のチェック」「不適切な商品は発見しだい削除しています」という。
「確かに規制はしていますが、メルカリは大きく変わることはないのではないでしょうか。規制をかけすぎて廃れた『LINE MALL』という前例もありますし……。メルカリというのは、何が起こるかわからない『ネット闇市』的なところが最大の魅力でもあるんです」(同)
メルカリはあくまでも当事者同士の取引なので、“ネタ”として楽しむのも個人の自由だ。しかし、モラルの低下がいきすぎてしまえば、運営側にとっても利用者側にとってもメリットはない。
また、ネット上ではなく売買者同士が直接会ってやり取りする「メルカリ アッテ」というサービスもあり、こちらも一部のユーザーによって犯罪の温床になることが懸念されている。
メルカリ民の“闇”がネタでなくなってしまう日が、すぐそこまで近づいているのかもしれない。
(文=清談社)