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東芝、不正1千億超でも“甘い”処分?ライブドアは“たった”53億粉飾で経営陣逮捕

構成=関田真也/フリーライター・エディター
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 今回の東芝のケースも虚偽記載がなされたことは間違いないが、まず「投資家の判断に影響を与える」といえる規模のものだったかどうかが、粉飾決算と認められる大きなポイントになるようだ。では、東芝のしたことは「重要事実の虚偽記載」に当たるのだろうか?

「東芝のケースでは、『1500億円』という額が大きく報道されています。しかし、第三者委員会の報告書によると、1500億円とは2008年度から14年度第3四半期まで約7年間における利益操作の合計額で、単年度では数十億円から数百億円です。利益操作の額をすべて修正しても、10年度以降では毎年千数百億円の税引前当期利益を計上する中、最も利益操作の額が大きい12年度でも税引前当期利益が約700億円程度に下がるだけで赤字にはならず、投資家の投資判断への影響は限定的ともいえます。一方、09年度では、利益操作額に修正を加えると税引前では赤字転落となりますが、そもそも税引後では初めから約200億円の当期損失で、このことは周知されていました。そうすると、この時も利益操作が投資判断にどの程度影響したかは、微妙なところなのです。また、故意の認定についても、東芝の経営陣が使っていたとされる『チャレンジ』という言葉が、虚偽記載や利益の水増しを促していたかどうかも、やはり微妙といえるでしょう」(同)

ライブドアの場合とはどこが違う?

 それでは、一方のライブドアは利益の過大計上額が東芝より圧倒的に少ないが、投資家の判断に影響を与えることが明らかだったといえるのだろうか?

「ライブドアは、本来なら経常利益が前年比120%減の完全な赤字決算であったところを、自社株の売買による差益約38億円を売り上げとして計上し、関連会社への架空売り上げ約16億円と合わせ、経常利益50億円で前年比300%増の黒字と記載したとされます。この利益の過大計上によって、『赤字を黒字にした』という点が重要です。赤字転落した会社と、多額の黒字を計上して急成長中の会社では、投資判断が正反対になってもおかしくありません。したがって、これは確実に『重要事実の虚偽記載』に当たります。そして、ライブドアはこの当時、自社株の株式交換による企業買収を繰り返していましたが、自社株の評価額が高ければ買収も有利に進められるため、株価維持や吊り上げに対する強い動機がありました。よって、故意を認定するのは比較的容易だったと思われます」(同)

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