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「そこで渡航費用が残ったのか、次にエストニアのパルヌ市を訪問し、技術導入提携を結んだ後で、6月に4億8000万円の補正予算案を提出してきました(予算案は可決)。本来はカゼルタ訪問が目的だったわけで、パルヌ訪問とその提携費用が必要なら、まずは議会に同意や承認を求めるべきでした。ひどい提案でもない限り、我々は同意します。今回のテスラ問題もそうですが、村越市長は手続きを踏まずに物事を進めるケースが目立つのです」(前出の市議)
まずは議会や市民に説明をして承認や同意を得ていれば、今回のような問題にはならなかったはず、と市議は語る。十分な説明もなく高額のEV導入を決定し、後から説明するようなやり方では、市民の同意が得にくいのも当然だ。実際、テスラ導入が発表された後の同市のフェイスブックのコメント欄は反対意見で埋め尽くされた。
市のトップである市長が大きな権限を持つこと自体は問題ないが、その権限を行使する前に市民や議会の理解を得ることが大切だ。支持を得てから物事を進めなければ、再び炎上する事態になりかねない。「政治には根回しも必要」、そう感じる出来事だった。
(文=後藤豊/ライター、市川市民)
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