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安倍政権、消費増税に続きホテル税導入か…福岡、県と市が対立で“二重課税”の方向

文=小川裕夫/フリーランスライター
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自治体でも検討相次ぐ

 ところが、ホテル税はわずか10年で大きな税収源に成長した。さらに、12年頃からは政府主導の円安に加え、中国・韓国の経済成長、LCC(格安航空会社)の拡大、ビザの要件緩和といった複数の要因も重なって、訪日外国人観光客は爆発的に増加した。こうして、東京都のホテル税収は、うなぎのぼりに増えていく。

 10年頃までは、訪日外国人観光客が足を運ぶ都市は東京・横浜を中心とした首都圏に限定されていた。しかし、そうした主要都市に飽きてきた中国人・韓国人たちは、地方都市にも足を運ぶようになる。年を経るごとに京都・大阪・奈良などへと拡大し、最近では日本人も足を運ばないようなローカル都市にまで外国人観光客が押し寄せるようになった。

 そうした外国人観光客の増加を受け、かつての東京都のように地方自治体は観光インフラの整備に追われるようになった。多言語による案内やパンフレットの制作といった観光インフラの整備を要する。これらには、ハード面の整備もさることながらソフト面の整備も必要だ。特に人材確保・育成において、地方自治体は悩みの種を抱える。ある地方自治体関係者は、こう話す。

「ハード面・ソフト面の整備には、とにかく財源が必要になります。ハード面は整備だけすればなんとかなりますが、人材育成は容易にはできません。研修などを繰り返し実施しなければなりませんし、住民の理解も必要になります。観光インフラの整備は、結構な金のかかる政策なのです。いくら地元経済が潤うからといっても、初期投資も必要ですから、そのためにもホテル税などを制定してインフラ整備のための財源を確保する必要があります」

 そうした事情から、東京都に追随して、ホテル税を制定する自治体は増えている。制定はしていないが水面下で導入の検討を始めている自治体は相当な数にのぼる。

 東京都に次いで、17年にホテル税の導入に踏み切ったのが大阪府だ。前述したように、ホテル税は法律で一律に徴税・課税される税ではなく、地方自治体ごとに条例を定める法定外税だ。そのため、自治体ごとに税額は異なっている。大阪府の場合は一人一泊7000円以上の宿泊に課税する仕組みになっており、2万円以上の宿泊には300円が課税される。京都市は、18年10月からホテル税の導入を開始。一人一泊2万円未満で200円、最高で1000円が課税される。

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