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例えば、原油価格の国際指標である米国産標準油種(WTI)は、昨夏は1バレル=100ドルを超えていたが、現在は同40ドル台まで低下している。単純に考えて、同じ量の石油を取引した場合、以前は100ドルを得られていたのに、今は40ドルしか得られなくなってしまったわけだ。
しかし、アメリカとしては、そういった側面は鑑みず、あくまでアメリカ自身の事情で利上げを行いたい。なぜなら、アメリカ経済が再びバブル崩壊に陥った場合、その影響は中国の比ではなく、アメリカだけの問題では済まないからだ。
もし、アメリカで再びリーマン・ショック級のバブル崩壊が発生したら、今度は誰がどういった手を打つのだろうか。明確な答えはない。だから、それを未然に防ぐためにも、「利上げをするかもしれない」と言っているのだ。
また、アメリカと同時期に大規模な量的緩和を行ったイギリスも、同様の状況にある。ロンドンの不動産価格はすでにバブル状態にあり、建設ラッシュが起きているのだ。
これを早めに抑制しない限り、イギリスもバブル崩壊に陥る可能性がある。アメリカ、イギリスという金融大国の2国が金融危機に陥れば、その影響は計り知れない。そういった可能性を早期に排除しようというのが、アメリカの利上げの意図であるともいえる。
(文=渡邉哲也/経済評論家)
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