バブルというのは、その名の通りいつか必ずはじけるものだ。そして、いわゆるバブル景気の場合、そのはじけ方が問題になる。ハードランディングになるか、ソフトランディングになるかで、その後の経済状況が変わってくるからだ。
最近、世界的な話題になっている中国経済のバブル崩壊に関しては、「どうやら、ハードランディングになりそうだ」ということで、問題視されている。
そもそも、中国とはどのような国家だろうか。この国は、「共産党独裁自由主義経済」ともいうべき、非常にゆがんだ経済構造を持っている。中国共産党のための自由主義経済であり、資本主義と計画経済の“いいとこ取り”をしてきたのが実態だ。
資本主義と計画経済というのは、正反対の経済思想であり、本来は並立することはあり得ない。しかし、中国において、このような経済システムが許されてきたのは、なぜだろうか。それは、世界各国が中国を利用して儲けることができたからである。
しかしながら、いよいよそれも許されなくなってきた。そういった背景が、中国のバブル崩壊の根底にあるといえる。
「金の切れ目が縁の切れ目」ということわざがあるが、中国の場合はまさに「金の切れ目が国際社会との縁の切れ目」になりつつあるわけだ。また、中国経済を語る際、その構造から、よく「張子の虎」にたとえられるが、巨大な張子の虎もついに壊れようとしている。
世界には、実体経済の60倍近い架空資金(フェイクマネー)が生まれている。これは、金融の世界における信用創造の過程でつくられる。例えば、土地を担保にお金を借りて、そのお金を株式に投資して、それが証券化されて……といったかたちで、リアルマネーが何倍にも膨れ上がっているのだ。
そして、その膨れ上がった部分が「バブル」と呼ばれるものであり、それが一気にはじけるのが「バブル崩壊」である。中国の場合、このバブルの膨れ方が異常だったという指摘もできる。
中国の成長率7%はウソ?
中国の国内総生産(GDP)の成長率について、見てみよう。
中国は長らく「保八」という政策目標を達成してきた。これは「成長率8%以上を維持する」というものであり、中国の経済成長を象徴するものである。逆にいえば、毎年8%以上の成長率を維持しないと、失業者の大量発生などにより、社会の安定が保てないという事情もあった。