希望物件を優先的に紹介してもらう裏技
ここからはもう少し積極的な行動が必要になりますが、裏技的に効果が高い方法があります。売買物件を探す方の中にはよくいらっしゃるのですが、賃貸で実行される方は少ないので、繁忙期には試してみるといいと思います。
簡単に説明すると、住みたい物件を特定して、その物件を管理している不動産会社に直接「空いたら教えてほしい」と交渉するのです。
売買では、「この物件が売りに出たら教えてほしい」と物件を特定して希望される方がいますが、賃貸ではあまりそういった行動をされる方はいないようです。
しかし、この方法は賃貸でも有効です。具体的には次のように行動します。
(1)自分が希望するエリアを巡り歩き、気になる物件をピックアップする
(2)その物件の名称と住所を記録する
(3)その際、物件のフェンスや壁に不動産会社の看板が貼ってあれば、その会社名と連絡先を記録する
(4)インターネットでその物件名と住所で検索する
――空いているかどうかにかかわらず、過去の情報がヒットすれば、おおよその賃料や広さを確認できます
(5)ピックアップした物件を検索した結果、賃料等の条件に合致しているようであれば、不動産会社に問い合わせをする
――その際、物件に看板が掲示されていた場合は、その不動産会社に連絡するとより情報は確かです。看板がなかった場合は、ネットに物件を掲載していた不動産会社に連絡します。
(6)できれば、連絡した不動産会社を直接訪ねて詳しく物件のことを教えてもらう
物件の管理をしている不動産会社では、多くの場合、退去の1カ月前には入居者から退去の予告を受けています。ここから先は不動産会社によって異なりますが、退去後に修繕(補修や清掃など)してから募集をかけることもあり、部屋が空くことがわかっていても情報を出していないこともあるのです。
物件を探している方が直接、物件を特定して予約する方法であれば、管理している不動産会社にとっては、早く入居者が見つかる、契約に至れば入居者から手数料が入るといったメリットがあるので親切に対応してくれますし、実際に有効な方法といえます。
ただ、この方法でも空きの予告が出ているかはわからないので、確実ではありませんが、いち早く物件を紹介してもらえる可能性が高くなりますので、お勧めです。
(文=秋津智幸/不動産コンサルタント)