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イスラム教徒は戒律で口にできない食べ物がいくつかある。例えば、豚はタブーとされ、口にすることは許されない。豚からダシをとったスープなどもだめで、豚脂を肥料にして育てた畜産品などを口にするのも戒律に触れてしまう。インドネシアやマレーシアからの観光客はイスラム教徒が多く、日本の飲食店は生産過程にまで配慮しなければならない。
街のラーメン店や喫茶店がそこまで気を配るのは難しい。しかし、ハラール認証を受けた商品なら、イスラム教徒でも安心して食べることができる。観光客を取り込むべく、農林水産省などは積極的に生産者たちにハラール認証の取得を支援している。
大手流通企業ではイオングループがハラール認証の取得に力を入れている。その理由は、海外への出店攻勢を強化しているからだ。これまで主に食品関係がハラール認証の対象とされてきた。まだ、日本国内ではハラール認証を取得している食品は少ないが、海外に進出する海外企業の間では、すでに化粧品や医薬品分野にまで広がっている。
中国人観光客からも好評を博しているように、日本の化粧品は世界でもトップクラスの品質を誇る。それだけに、イスラム教徒に土産品として化粧品を買ってもらうためには、ハラール認証は必須となる。
春節後を見据えて、早くもインドネシアとマレーシアからの観光客争奪戦が始まっている。
(文=小川裕夫/フリーランスライター)
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