<月給・年収の高い地区>
東京地区:19万4258円、288万8852円
神奈川地区:19万1285円、283万4425円
大阪地区:18万8149円、275万6049円
<月給・年収の低い地区>
東北地区:15万5569円、222万0934円
四国地区:15万7939円、224万8441円
北海道地区:16万0977円、239万3343円
ご覧の通り、入園料・納付金の高い地区の給与が高いという当たり前の結果となっているが、地方の物価が安く、生活がしやすいという点を考慮すると、可処分所得に大きな差が生まれるほど給与格差があるとはいえない。むしろ、教員1人当たりの園児数などを考えた場合、教員として園児と向き合っていく上では、地方の幼稚園に勤務するほうがよいのかもしれない。
厳しい幼稚園経営
ただ、少子化の進展のなかで、幼稚園経営が厳しい状況になっていることも確かだ。幼稚園経営の健全性を見る上では、収支差額比率がプラス(黒字)になっているかを見るのだが、全国平均では学校法人以外では+6.8%、学校法人では+5.0%となっている。しかし、園児が100人以下の小規模幼稚園では、学校法人以外で-4.1%、学校法人で-3.5%と赤字経営となっている。
<学校法人で園児が100人以下の幼稚園の経営状態>
北海道地区:-6.3%
東北地区:+0.4%
関東地区:+0.3%
うち東京地区:-1.5%
神奈川地区:-21.6%
東海・北陸地区:+0.1%
近畿地区:-9.5%
うち大阪地区:-8.3%
中国地区:+6.0%
四国地区:-5.0%
九州地区:+4.2%
小売業で大型スーパーが町の商店街を崩壊させたように、幼稚園も大規模幼稚園が存在感を示し、小規模幼稚園を淘汰しようとしている。特に、園児の多い都市部で小規模幼稚園は苦戦している。ちなみに、近畿地区では園児101人から200人の規模の幼稚園も-2.6%と赤字経営になっている。
(文=鷲尾香一/ジャーナリスト)