2015年12月3日付当サイト記事『自宅が火災に遭う確率はこんなに高い!隣家出火のせいで自宅全焼、ローンだけ残る危険も』において、筆者自身が住むマンションの直下階の火災で被災した話を少し取り上げました。
専有部分(室内)の被害自体は大したことはなかったのですが、共用部分(外壁、ベランダ、窓など)では、火元となった部屋を除けば一番ひどい被害を受けました。
特に外壁はひどく、筆者の部屋周りの外壁は4分の1ぐらいが焼け、タイルの落下のおそれがあり危険なため応急的にタイルを剥がし、現在も外壁にタイルがない状態です。見た目には一番ひどい部屋といえます。
その火災から7カ月が過ぎ、ようやく今月から復旧工事が始まろうとしています。復旧工事開始までどうしてここまで時間がかかったのでしょうか。火災後の経過を振り返ってみます。
火災があった当日から警察や消防が原因調査を開始しています。筆者の部屋も、外からだけでなく消防や警察の立会いのもと室内も状況確認が行われました。
筆者は、加入している火災保険会社(A社)へ被害状況等を連絡し、その2日後に鑑定人が来て室内外の被害状況を確認していきました。その間、筆者は消防署へ罹災届を提出し、罹災証明書の申請を行いました。
ちなみにマンション火災の場合、罹災証明の対象は“専有部分”に限られるので、共用部分についての被害状況は参考程度にしかなりません。共用部分はマンションの管理組合が罹災届を出し、罹災証明を受け取ります。筆者は罹災証明を3部取得し、A社と、管理組合が加入している保険会社(B社)、そして火元の居住者が加入している保険会社(C社)の3社に提出しました。
なぜ窓の修復が困難なのか
特に、修繕個所で困ったのは、窓ガラスと窓枠です。クロスなど室内はさほど大きな被害ではありませんが、A社が早急に対応してくれたため、数日で保険金が振り込まれ、すぐに復旧できました。
ところが、窓ガラスや窓枠は共用部分扱いのため、A社の保険では対象にならないのです。本来なら、共用部分である窓ガラスは、ほかの共用部分と同時に復旧となるのですが、実際に窓ガラスは割れていたために落下のおそれがあり、ほかの居住者や付近を往来する歩行者へも危険があることを訴え、管理組合に費用を立て替えてもらって先行して復旧してもらいました。ただ、現在も窓枠は火災当時のままです。