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プーチン頼みのロシアを待つ厳しい現実
これは、ロシアにおいても同じだ。ロシアは「大帝」とも呼ばれるウラジーミル・プーチン大統領による独裁的な政治体制が敷かれており、あらゆる面で“プーチン頼み”なのが現状だ。
ロシアという国は「共産主義に失敗し、民主主義に失敗し、そして“帝政”に戻った」ともいわれている。プーチン大統領は2000~08年まで大統領を務めた後、首相に就任し、12年から大統領に復帰している。首相時代も含めれば15年以上も国のトップに立っているわけだが、裏を返せば、次代のトップが育っていないのである。
今、世界にはかつての冷戦を彷彿とさせるような西側と東側の対立が生まれているが、仮にプーチン体制が崩壊した場合、その対立構造のバランスが大きく崩れることになる上、ロシア国内が混乱に陥ることは想像に難くない。
現在、ウクライナ情勢をめぐって欧米から経済制裁を受けているロシアでは、首都・モスクワのスーパーマーケットからバターやチーズなどの輸入品が消えつつある。また、地方に行くと、旧ソビエト連邦時代に戻ったかのように、物を買うのに2時間並ばなければいけないという状況も生まれている。
これらは、経済制裁によって外貨が手に入らなくなり、海外品が流通しなくなってしまったからだ。そういう状況の中でプーチン大統領という指導者が失われたら、いったいどうなるのだろうか。
このように、中国およびロシア、つまり東側の国にとっての状況は非常に厳しいものになっており、それゆえ対抗軸である欧米の動きが注視されているのである。
(文=渡邉哲也/経済評論家)
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