ツタヤ図書館を視察して、書架の中身も見ずに「素晴らしい」と褒める地方議員が圧倒的に多いなか、新図書館が重視するとしている地元の歴史郷土研究の観点から、不備・疑問点を鋭く指摘している。
はぐらかす教育長に厳しい追及
担当課長の言い訳にしびれを切らした藤原議員は、今度は教育長に矛先を向けた。実は、藤原議員はこの質疑の冒頭で、郷土の歴史風景地保存プロジェクトについて教育長にも意見を求めて「市の街づくりというのは、歴史文化を核としながら、東北随一をめざす」との言質を引き出していた。
そこで藤原議員は、歴史文化を核とすると述べた教育長に、手が届かないところ歴史郷土資料が置いてあることについて、どう思うかと質問した。
「今、課長がお話ししたとおりでありますが、当然、多賀城市は歴史文化というふうなことでありますから、それを粗末にしていることではございません。ただ、いわゆる十進分類法というふうな立場から見れば、何かあるところにないなというふうなことになるんだと思いますが……」
このように、教育長がのらりくらりとはぐらかすような答弁をしたことで、業を煮やした藤原議員は、「国史大系が世界史のコーナーにあることについて、なんの違和感もありませんか」とストレートに投げかけた。
だが、教育長は必死に質問をかわそうとする。
「ですから、多賀城市が歴史文化という立場に立てば、何だ、そんな高いところにというふうなことでありますが、先ほど課長がお話ししたとおり、開架の書庫というふうな考え方もありますし、これがすべてではございませんが、高いところにあって、当初そういうふうな置き方をしたと。必要頻度においてどんどん入れかえをしているというふうに話を聞いておりますので、そういうふうな必要頻度といいますか、そういうふうな立場から閲覧方法といいますかそういうふうなものを現在はやっております」
いらだったように藤原議員は同じ質問を繰り返した。
「世界史のコーナーに国史大系が並んでいるということについては違和感がありませんか。答えてください!」
このようなやり取りが繰り返され、藤原議員は委員長に「さっきからまともな回答をしていないので、きちんと答えさせてください」と抗議し、委員長は10分間の休憩を挟むことを決めた。