再開後も教育長は、歴史郷土資料の配架がおかしいとは認めなかったが、根負けしたかのように、「藤原議員のように専門的な立場に立てば、これはな、というふうな思いはあります」と、問題点がないとはいえないとの発言をした。
それを受けて藤原議員は、「違和感という言葉は使いたくないけれども、それに近いような感じは持っていると、そういう感じの答弁でした」とまとめた。
この後、藤原議員はCCC独自の蔵書分類方法、「ライフスタイル分類」についても、「現代文学全集の中に新日本古典文学大系とか時雨亭叢書が置いてある理由がわからない」などと、古典の調査・研究をするにあたって、甚だ不便な配置になっていると指摘して改善を求めた。
入館者をごまかす副市長を断罪
そして質問の締めくくりに、ツタヤ図書館に関連して、鈴木明広副市長に懸案事項を投げつけた。
鈴木副市長が、多賀城市の図書館の利用者が16年8月末までに80万人を超えたと述べたことを問題視したのだ。
だが、それは図書館が入居するビルの入場者数であって、図書館の利用者ではないのではないかと問いただした。
鈴木副市長は、「(80万人は)A棟(図書館入居ビル)の入場者数で、図書館の入場者数とは異なる話」と認めつつも、「そのぐらいの勢いで入場者が伸びておりますということでお話をした」と釈明した。
また、担当課長も「図書館が開いている時間帯にA棟に入った人の大半は図書館に来た」と推定できるとし、80万人は有効な数字だと主張した。
だが、藤原議員は、図書館の出入り口にカウンターを置いておけば確認できるのに、図書館利用者の正確な数字を出せないようなシステムにしている市教委の責任を激しく非難した。
図書館としての中身や社会教育という本来の目的を軽んじ、粉飾まがいの集客データによって体裁を取り繕うことばかりに力を入れてきたツタヤ図書館だが、これから正常化するためには、議員をはじめ市民たちが根気強く注視して、改善を求め続けていかなければならないだろう。
(文=日向咲嗣/ジャーナリスト)
※写真は藤原益栄議員が昨年9月8日に撮影したもので、現在は一部改善された配架となっている