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今回、政府が上程を目指す法律は、安倍晋三首相が「共謀罪を成立させないと東京オリンピックを開催できないし、組織犯罪に対応する国際条約(パレルモ条約)を締結できない」などと事実無根の発言をしたことから、注目を浴びるようになった。
ところが、冒頭の挨拶で山下氏が指摘したように、「テロ」と言いながら条文にテロと書いてないことが明らかになり、過去3回廃案になった共謀罪と本質は変わりないことが露呈した。
さすがに自民党内でも問題になり、「テロリズム集団その他の」と急遽、文言を追加した。危険なのは「その他」である。「その他」が何を指すかは不明瞭で、極端にいえば、どんな行為でも含めることが可能だ。ひとつも懸念は払しょくされないまま自民党と公明党が法案を了承し、3月21日にも閣議決定するという。
1億3000万人での「共謀」と全国1万人委員会を呼びかけ
実は、百人委員会の発足記念集会が開かれた3月7日に、法案の上程を閣議決定する予定だったが、延びている。いわゆる「森友学園疑獄」で安倍首相が厳しく追及されていることも閣議決定が遅れている背景のひとつだろう。
そして、閣議決定が遅れている間に、全国で共謀罪に反対する集会やデモ、勉強会、演説会などが急速に増えており、少しずつ危険性が知れ渡るようになってきた。
「当初はテロ防止のための法律だと世論調査で問われてハイと答える人も多かったが、ここにきて一般の人々の空気が明らかに変わってきた」と、真山勇一・参議院法務委員(民進党)は指摘する。
足立昌勝・関東学院大学名誉教授は「社会に害悪を与えない限り、頭の中で何を考えてもいい。それなのに共謀罪は、頭で考えたことが処罰される」と、共謀罪の最大の問題を訴えた。日本の刑法は既遂(実際に犯罪を犯した)を処罰するのが柱であるのに、共謀罪は、犯罪の計画や合意があったと警察に“見なされた”だけで成立してしまう。
さらに、「共謀罪がない現時点でも、簡単に人が逮捕されている」と訴えたのは、石川裕一郎・聖学院大学教授だ。石川教授は次のような例を挙げた。
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