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首脳会談前、中国の対北朝鮮姿勢が注目されていたが、電撃的な対シリア軍事作戦もあって、すっかりと霞んでしまったかたちだ。トランプ大統領としては、中国は北朝鮮問題で妥協しないだろうとの読みから、首脳会談中にシリア攻撃を行い、「次は北朝鮮だ」と印象付けることで、中国から妥協を引き出そうとしたのだろう。
中国メディアは米側が発表した北朝鮮問題の合意については報じておらず、中国当局が国営新華社通信などのメディアに報道自粛を指示したとみられるが、それだけ中国は北朝鮮への対応に苦慮しているといえよう。
筆者がこれまでの本欄で何回か触れているように、中朝関係はもはや決裂寸前であり、中国にとって北朝鮮は米国に次ぐ「仮想敵ナンバー2」だけに、おいそれと「核開発をやめろ」とは説得はできないだろうし、とはいえ、隣国だけに米軍に攻撃されても困る――、というハムレットの心境であろうことは容易に理解できる。
結局、中国はこれまでと同じように、ずるずると現状を長引かせて、北朝鮮の核開発についてなす術がないということだろう。それに業を煮やしたトランプ大統領が最終決断を行うまで、その状態は続いていくに違いない。
習主席は今回、わざわざアメリカまで出かけて行ったが、結局、トランプ大統領に足下を見られ、鼻面を取って引きまわされたといえよう。
首脳会談を報じた香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」の投書欄には「さまざまな問題が話し合われたことはわかるが、明確な合意もなく、解決策も提示されなかった」とのコメントがみられるなど、習主席がわざわざアメリカまで行って、首脳会談を開く必要があったかどうかを疑問視する声さえ寄せられている。
(文=相馬勝/ジャーナリスト)
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