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ツタヤ図書館、お飾り用の読めない洋書購入に巨額税金投入…高さ9mの棚に固定

文=日向咲嗣/ジャーナリスト
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“読めない”洋書、1万2000冊以上購入か

 周南市は、装飾用の洋書をいったい、いくらの費用をかけて、何冊購入する計画なのか。 先述の記事でレポートしたダミー本3万5000冊分に費やす総費用は152万円と、1冊当たりの単価は四十数円だったが、洋書の場合は、そんな額では済まないはずだ。

 担当部署に問い合わせたところ、当初「現在、相見積もりをとっているところなので、3月期末までには判明する」と回答があった。ところが、「ダミー本大量購入」の事実を当サイトが報じたことにより、新図書館建設に批判的な意見が噴出し、市の対応は一変。

 4月に入って問い合わせると「装飾デザイン及び書架・家具製作業務委託費全体で8900万円」とだけ明かし、それ以上の細かい項目については、「CCCの同意がないので公表できない」と開示を拒否した。そこで、CCCにも問い合わせたが無回答だった。

 そこで、市議会の会議録やCCCが過去に開館準備を手掛けたほかの公共図書館における開示文書などのデータを基に、周南市が洋書にかける額を試算してみた。

 まずは、購入予定の洋書冊数だ。判明しているのは、周南市の新図書館の吹き抜け高層書架は、延べ247メートルとなっている。厚さ2センチの本が1万2350冊収納できる。

 市議会の会議録によれば、内装や移動式書架、専用の椅子、テーブルなどの備品購入は、いずれもCCCの提案によるもので、そこにかける費用も数年前にリニューアルした別の市立図書館の約3倍だという。国からの巨額補助金が湯水のごとく注ぎ込まれているためか、かなり贅沢なつくりになっているらしい。

 そんな贅沢さの象徴的な存在が、インテリア小物としての洋書だったのだ。インターネット通信販売で洋書の価格を調べてみると、「デコラティブブックス」「インテリアブックス」といった名称で販売されているものが多くみつかる。それらは中古でも、薄い本で1冊当たり500~1000円、革表紙風の古典的な洋書なら1冊3000~5000円もザラだ。

 装飾用の中古本も扱っている都内の老舗洋書店に聞くと、店長が次のように話す。

「うちでは、ディスプレイ用の中古洋書は、店頭は500円から、通販は900円から販売しています。ただし、1000冊以上の大口になりますと、単価は1200円と高くなります。高いものも交ぜないと冊数を確保できないからです。1000冊を超えると、お客さまのご希望や本の内容、見かけなどの要望は聞かず、“お任せ”になってしまいます。

 2000冊以上は、うちでは扱ったことはありません。8メートル超の高層書架に配架するというのは信じられません。洋書は、重いものでは3キロ以上あるので、そんな高いところから地震で落下すると、死人が出るおそれがあります」

 周南市は、「高層書架の安全対策は万全」と胸を張っているので、相当な対策をとっているとは思うが、やはり不安は拭えない。

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