ビジネスジャーナル > 社会ニュース > 森友、深部ごみないのに巨額払い下げ  > 2ページ目
NEW

【森友】国、「深部ごみない」資料作成しつつ8億円払い下げ…財務省、背任罪の疑い濃厚

文=青木泰/環境ジャーナリスト
【この記事のキーワード】, ,

 ところが、すでに告発状の提出から20日以上も経過するのに、東京地検はこの告発状を受理すらせず、放置している。もしこのまま本丸の国の官僚、すなわち近畿財務局と大阪航空局、安倍首相の関与問題を放置したままで検察が籠池氏を逮捕した場合、司法の独立が疑われる由々しき事態になると心配される。

【森友】国、「深部ごみない」資料作成しつつ8億円払い下げ…財務省、背任罪の疑い濃厚の画像2新資料の柱状図。ここでも深部にはごみがないことがわかる。

情報公開請求で新資料見つかる

 森友問題では、加計問題同様に国は関連資料を廃棄したり、一部を黒塗りにするなどして、都合の悪い部分はすべて隠している。国や自治体など行政が持つ文書は、基本的には官僚の所有物ではなく、国民の文書である。あまねく国民が知ることができるというのは、情報公開の原則である。

 ところが、森友や加計問題については、官僚たちはこの原則に背を向け、安倍首相と内閣府に忖度し、情報隠しの違法行為を繰り返している。この違法行為が意図的に行われていれば、刑事罰の対象になる。

 そこで、市民団体「健全な法治国家のために声をあげる市民の会」(八木啓代代表)は5月16日、公用文書等毀棄(きき)罪で東京地検に訴え、NHKをはじめ大手メディアにも大きく報道された。

 今回見つかった新資料の名称は、「平成23年度大阪国際空港場外用地(0A301)土壌汚染深度方向調査業務報告書」(2012年2月)である(以下、本件深度報告書)。この資料のなかには、本件土地の地層図(写真1)やボーリング箇所の柱状図(写真2)が含まれ、この資料から、深部にはごみがないことがわかった。そして何より重要なのは、作成者が今回の売買契約に当たって、深部に2万トンのごみがあると鑑定した国、国交省大阪航空局であることであった。

 写真1の地層図には、上部からB1、B2の盛り土層、それに続いてAC1,AC2,AC3の沖積粘土層、AS沖積砂質土層などが続き、盛り土層のB2には「ガラ混じり砂礫」と書かれているが、それ以深はいわゆる堆積層が続き、数百年前に溯って形成された層であり、いわゆる廃棄物、ガラなどが埋設されているはずもないことがわかる。

 写真2の柱状図には、敷地内の5カ所の地点で、ボーリングの穴を約10mまで掘削し、9段階に分けて土壌の性状と埋設物のあるなしを調査している。ここでも3mより浅い部分からは、土中にコンクリート及びレンガ片、ビニール等のガラが混じっていたことが報告されているが、深部にはそのようなごみは存在しないことがわかる。

【森友】国、「深部ごみない」資料作成しつつ8億円払い下げ…財務省、背任罪の疑い濃厚のページです。ビジネスジャーナルは、社会、, , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!