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ツタヤ図書館、古い本を大量に「新刊」として定価で購入の可能性

文=日向咲嗣/ジャーナリスト

「確かに、CCCから発注を受けて、多賀城市には2万冊以上納入しています。一昨年11月くらいから発注を受けて、昨年2月末までに、装備も終えてすべて納本を完了しています」(TRC広報部)

 具体的に何冊納本したのかなど、それ以上詳しい取引内容については「注文内容を第三者に伝えることは、信用問題になる」との理由から開示は拒否した。

 東京の図書館をもっとよくする会の池沢昇氏は、この回答を次のようにみている。

「TRCが真実を述べている蓋然性は高いと思います。11月というのは、教委選書の第1回目の新刊発注(第4回選書リスト)の時期と符合します。納入冊数も符合します。ただ、選書リストには古い本が多いため、絶版・品切れで新刊書の入手ができないものも多く出ています。納品された本のすべてが新刊書なのか、まったくわかりません」

 では、前回記事で見たように、CCCの提示した新刊選書リストがネットオフの保有する中古本データと酷似していた事実は、どうとらえればよいのだろうか。池沢氏は、次のように推測する。

「ネットオフはデータが整備されているため、簡単にリストをつくりだすことができます。そこで、CCCはネットオフに選書リストをつくらせ、それを基にTRCに発注した可能性も否定できません」

 15年1月にCCCが見積書を市教育委員会に提出した時点では、追加蔵書購入数は3万5000冊で、新刊と中古は1万7500冊ずつとなっていた。その後、なぜか方針が変更され、第1回目の選書リストが市教委に提出された同年6月時点では、「新しい本6割(2万1000冊)程度、中古本4割(1万4000冊)」と、新刊が3500冊も大幅に増えていたのである。

 市教委とCCCとの間で、いったいどんなやりとりがあったのかはわからないが、ただでさえ、短い期間に新刊を大量に手配してしていかねばならないときに、突然何千冊も新刊を増やすことになった。すでに選書リストは、ほぼ準備されていたと考えられる時期で、そこから新刊の選書リストを新たに作成するのは困難な作業だ。そうしたなかで、すでに完成していた中古本の選書リストを再利用し、新刊の選書に挿入したのではないだろうか――。

 そう考えると、「なぜ新刊の選書リストに、刊行年が古い本が多くあるのか」「なぜ市場に多く売れ残っているような本が多く選書されているのか」など、それまで疑問に感じていたことの辻褄が合う。

 池沢氏も、「実際に購入したのはすべて新刊だったとしても、『偽装はないのでコンプライアンス上問題なし』とはいえない」と厳しく批判する。

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