6月12日付当サイト記事『ツタヤ図書館、旧CCC関連会社のデータを基に選書リスト作成か…「新刊」に中古本混入か』において、宮城県多賀城市立図書館が、昨年3月に新装開館するのに合わせて蔵書を購入する際、同館を運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が「新刊」と明記された選書リストのなかに、中古本を混入させていた可能性があるとの疑惑を追及した。
2万1000冊の選書リストを詳細に分析した結果、2015年12月にCCCが提出した「第8回選書リスト」の一部は、中古本の通信販売サイト「ネットオフ」の在庫情報を基にしているか、あるいはネットオフがCCCから依頼されて作成した可能性が高いと考えられる。
そこでネットオフの大口顧客(古本屋、漫画喫茶)向けの法人営業部門に、「図書を購入するにあたって、リストまで作成してくれるか」と問い合わせたところ、次のような答えが返ってきた。
「『小説が欲しい』『ビジネス書が欲しい』『単価は200円以内で』など、お客さまのニーズをお聞きして、それに合ったご提案をさせていただくことはできます。もちろん、ご購入いただいたものについてはタイトル、作者、JAN(バーコードの規格)、ISBNが記されたリストをエクセルデータでご提供することも可能です」
次に、CCCに対して「多賀城市立図書館の新刊選書リストに中古本が混入している疑惑がある」旨を伝え、「新刊に中古が混入していないか確認してほしい」と問い合わせた。合わせて、多賀城市立図書館の開館準備において、どこから何冊購入したのか、その詳細を開示するよう求めた。
これに対して同社からは、中古本混入疑惑について「そのような事実はございません」、また購入先の詳細についても「お出しすることはできません」との回答だった。
中古本リストを基に新刊購入?
そのため、事実解明のカギを握っていると思われる、TRC(図書館流通センター)に問い合わせた。なぜなら、多賀城市教育委員会が新刊の購入先はTRCだと明確に認めていたためだ。
同社には、「新刊選書リストに中古本が混入している疑いがあり、その証拠となるデータを確保した」と伝えたうえで、「CCCは、多賀城市立図書館の新装開館用に、新刊を約2万冊購入したとしているが、それは事実か。また、それについて最終的な購入冊数を開示してほしい」と求めた。
TRCからの回答は、驚くほどアッサリしていた。