――具体的な経済政策については、いかがでしょうか。
初鹿 旧民主党政権時に高等学校の無償化を行いました。高所得者にはより高い累進課税を行っていましたが、無償化の対象として高所得者を外すことはしませんでした。所得チェックも手間がかかるため、「コストをかけるくらいであれば、等しく分配するべき」との考えだったからです。
恩恵を受けるのは子どもですから、「親の年収によって、子どもが受ける恩恵に差が出るのは、制度として矛盾するのではないか」と思いました。ただ、自公政権になって所得制限が設けられ、都道府県に授業料を徴収する部門が復活してしまい、逆にコストがかかる事態になりました。
経済政策については、この施策を反映させて全世代・全世帯が恩恵を受けるような社会制度に変革したいと考えています。
福祉・介護は成長産業ですが、一方では人手不足です。その理由は、労力に比べて賃金が安いから。これは、保育も同じです。現行の介護保険制度では、給付額を増やすと利用者の負担が増えます。そのため、介護保険と切り離した別の仕組みで働く人の賃金向上策を考える必要があります。
処遇改善の交付金は、税金で補填していたものを報酬に変えるということで介護報酬に加算していましたが、報酬と切り離した賃金向上につながる制度を保育制度とともに考案することで、働く人が定着し、所得がアップし、消費もアップする。それによって経済の好循環につながるという点が、一番訴えたいところです。
――選挙区である東京16区は激戦区です。自民党や公明党の基礎票が圧倒的に強いです。ズバリ、勝算のほどは?
初鹿 自民党だけでなく「日本で一番、公明党が強い地区」ともいわれており、野党の票も分散しているため、厳しい選挙であると受け止めています。しかし、この選挙は我々が勝たなければならないという決意でいます。
憲法を無視し、民主主義のルールを逸脱することがまかりとおってはいけないと思います。そして、森友・加計学園に代表される問題を「政治の私物化」といわずになんというのか。安倍晋三首相とお友達であれば安く国有地が入手できたり、15年近く下りなかった認可が突然下りたりする。これは、誰が考えてもおかしなことです。
これは、私1人の戦いというよりも、国民が民主主義を奪い返す戦いであり、たまたま、私がその先頭に立っているということです。
――ありがとうございました
(構成=長井雄一朗/ライター)