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【森友問題】値引き6億円過大、会計検査院が認定…実際はごみ存在せず、値引き自体不当

文=青木泰/環境ジャーナリスト
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 そして、市民団体による告発は公用文書毀棄罪での告発(5月15日)に加え、2万トンのごみが「ない」のに「ある」として8億円を値引いた官僚の背任罪の告発(5月22日)にもおよび、すでに当サイトが9月26日に報じたように、東京検察特捜部は、市民団体から提出された官僚たちを背任罪等で訴える告発状をすでに受理している。

 今回、 国の一切の会計処理を検査する会計検査院が、東京地検特捜部に続き疑義を呈した。検査の結果、犯罪の足跡が見つかれば、会計検査院は検察に訴えることが必要になる。市民団体による告発状が受理されたことに加え、会計検査院からも同じような疑義の声が上がれば、いよいよ検察も本格的な捜査に入らざるを得なくなる。

 しかも今回は、国のトップによる関与が濃厚になっている。安倍首相と夫人の昭恵氏の関与のもとに、財務省上層部が指示・命令しなければありえない払い下げであった。“森友本丸”の炎上は不可避となっている。

財務省による格安払い下げの実態

 会計検査院は「国は値引き額を最大6億円過大に見積もっている」としているが、前述のとおり産廃マニフェストによれば、埋設ごみが「ゼロ」だったことがわかっており、つまり8億円過大な見積もりになっている。会計検査院が、すでに公になっているこの事実を知らないのであれば、怠慢といえよう。

 改めて、森友問題の核心である8億円値引きに至る事実を振り返ってみる。

(1)払い下げられた土地は、もともと大阪国際空港の騒音を受ける住宅地であった

 森友に払い下げられた国有地の所有主は、国交省大阪航空局である。その売却の事務を行っているのが、財務省近畿財務局である。大阪航空局がなぜその土地を所有していたかといえば、その場所は大阪国際空港の離発着時の騒音が許容限度を超えるという最高裁での判決を受けて、騒音防止区域として買い上げた土地である。この裁判自体は、騒音が住民生活の許容を超える点については認めながら、離発着時間の制限を求めた住民の訴えは却下していた。

 もちろん大阪航空局による土地の買い上げに住民すべてが応じたわけではなく、その土地は、歯抜け状態になっていたが、阪神淡路大震災の時にすでに買い上げられていた土地に震災避難の仮設住宅を建てた。その仮設住宅の撤去後、その土地は改めて「防災避難公園」として使うという名目で、残りの住民からの買収が完了した。

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