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【スルガ銀行・不正融資】幹部が続々退職で真相隠蔽…社外取締役・監査役に大物エリートずらり

文=編集部

 伊東哲夫・静岡県弁護士会会長は社外監査役を降りる。静岡県弁護士会会長がスルガ銀行の社外監査役ではしめしがつかない。「社外監査役として何をやっていたのだ」と外野から非難の声が聞こえてくる。

 新たな社外監査役には2人が就く。野下えみ氏は“ヤメ検”の弁護士。東京簡易裁判所の調停委員も務める。もう1人は、メリルリンチ日本証券出身の弁護士、行方洋一氏。

 今後の焦点となるのは、岡崎吉弘専務取締役の去就だ。“恫喝営業”と評される部門を統括してきた人物。トカゲのしっぽ切りで引責辞任するとみられているが、岡崎氏の首を差し出すだけでは済まないだろう。米山明広社長も引責辞任することになるとの見方が強い。

 第三者委員会(委員長:中村直人弁護士)の調査がいつ終わるのだろうか。金融庁の処分はいつ下されるのか。

「行員は、むしろ販売側にだまされた被害者だ」と強弁してきたスルガ銀行は、6月28日に開催する定時株主総会までに責任の所在を明らかにできるのだろうか。融資に関与した幹部が相次ぎ退職するなど、スルガ銀行は実態の調査・解明に後ろ向きですらある。

 スルガ銀行第三者委員会の中村直人委員長は、5月18日付日本経済新聞のインタビューで「調査結果は遅くとも8月中にまとめる」と語った。真相解明までにまだ時間がかかる。8月末までスルガ銀行の現経営陣は執行猶予となるわけだ。

地銀協の佐久間会長「普通は考えにくい」

 全国地方銀行協会の佐久間英利会長(千葉銀行頭取)は5月16日の記者会見で、加盟行のスルガ銀行がシェアハウス向けに杜撰な融資をしていたことについて「普通は考えにくい」と批判した。

「融資を受ける人の返済能力や業者の信頼性を事前に調べて貸し出しを行うものだ」とし、「他の銀行でも起こり得るか」との質問に「一般的には審査などのチェック体制が整っており、こういうかたちのもの(不正)が起き得るとは考えていない」と述べた。

 金融庁が賞賛したスルガ銀行のビジネスモデルは“規格外”だったのである。
(文=編集部)

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