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なんのための消費増税なのか?
加えて、酒類および外食を除く飲食料品と定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞については、軽減税率が適用されることになっており、その上、前回増税時の轍を踏まないように、住宅や自動車などの耐久消費財については、駆け込みと反動が発生しないように軽減措置を検討することになっている。「これでは、なんのために消費税を上げるのかわからない。本末転倒の措置」(野党幹部議員)という指摘にも一理ありそうだ。
小売業者の多くから、「どんな品目に軽減措置のような支援策が行われ、どんな品目が自由裁量で消費税の引き上げを行ってもよいのか、明確な基準がわからないと対処のしようもない」という声が出るのも当たり前だろう。
加えて、骨太の方針では、いつの間にやら「消費税率引上げ分の使い道の見直し」まで行われていたのだ。消費税率の2%の引き上げによる5兆円強の税収のうち、従来は5分の1を社会保障の充実に使い、残り5分の4を財政再建に使うことになっていたが、これを「教育負担の軽減・子育て層支援・介護人材の確保等と、財政再建とに、それぞれ概ね半分ずつ充当する」こととなった。
「安倍首相お得意の“飴玉作戦”だが、問題はこれを理由に財政再建が計画通りに進まないことの言い訳にしようとしている点だ。財政再建という公約が達成できないことを、国民の福祉の充実にすり替えようとしている」(野党幹部議員)
さて、消費税引き上げに向けての具体策は、これから検討が進む。政府がいうように、消費増税が景気の悪化につながることを回避する政策が打ち出せるのだろうか。
(文=鷲尾香一/ジャーナリスト)
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