内閣府の防災担当、災害対策に関する国会答弁準備で「当省には関係ない」と対応拒否
「どうして、災害対策を駆け引きに利用するの?」
正義感が強い秘書たちは、みんな怒っていました。
「でも、なんでそこで石破議員の名前が?」と思っていたら、石破議員が以前から提唱している「防災省」の必要性がからんでいるようです。内閣府の防災担当(職員)は各省庁からの出向者が多く、いわば2年限定の寄せ集めなので、経験やノウハウの蓄積が難しい。災害大国の日本こそ、防災行政の専門機関となる「防災省」を設置すべき……というのが石破議員の主張です。
実際、今回の「平成30年7月豪雨」でも日本の“お役所”の悪い部分が散見されます。秘書仲間によると、「災害対策の国会質問で、答弁書の準備の際に省庁間での押し付け合いがすごく醜い」そうです。
「なかには、わざわざファクスで『この質問項目は、当省には関係ありません』って送りつけてくるところもあるんだよ! それが、なんと内閣府防災からだよ」
まさに、石破議員のご指摘通りの展開ですね。そんな対応をされたら神澤も怒ります。秘書仲間は、さらに憤りを見せます。
「そうなんだよ。『お前ら、公僕だろ! しっかり仕事せい!』って言いたいけど、秘書の立場じゃねぇ」
まったく同感です。
なぜか自民党内で嫌われる石破茂
それにしても、石破議員は不思議な存在です。国民の人気はもちろん、自民党の一般党員からの評判も上々なのに、なぜか自民党の国会議員たちからは嫌われているようです。
永田町では、よく「安倍さんの3選には正直反対だけど、石破さんが総裁になるくらいなら、安倍さんを支持する」という意見を耳にします。一応は「石破派」(水月会)もありますが、「筆頭格の後藤田正純議員ですら、本気で石破議員を総裁にしようとは思っていない」ともいわれています。もっとも、後藤田議員は過去の不倫騒動で自民党内に居場所がなく、「仕方なく石破派にいる」との話もあります。
一方で、石破議員は5月に行われた報道各社の「次の自民党総裁にふさわしい人物」を問う世論調査で安倍晋三首相を抜いて首位に浮上しており、安倍首相の心中は穏やかではないでしょう。安倍首相は、以前から「石破嫌い」を公言していますし、相当ライバル視しているのではないでしょうか。
問題になった「赤坂自民亭」に初参加したのも、「『亭主』のひとりである石破さんを意識したのでは」ともいわれています。西日本で豪雨災害の危険が高まっていた7月5日夜、東京・赤坂の議員宿舎で開催された宴会で、安倍首相をはじめ、岸田文雄政調会長、小野寺五典防衛大臣らの自民党議員が楽しそうにお酒を飲んでいる様子に非難が集中した一件です。これは、なぜ中止にできなかったのでしょうか。
『国会女子の忖度日記:議員秘書は、今日もイバラの道をゆく』 あの自民党女性議員の「このハゲーーッ!!」どころじゃない。ブラック企業も驚く労働環境にいる国会議員秘書の叫びを聞いて下さい。議員の傲慢、セクハラ、後援者の仰天陳情、議員のスキャンダル潰し、命懸けの選挙の裏、お局秘書のイジメ……知られざる仕事内容から苦境の数々まで20年以上永田町で働く現役女性政策秘書が書きました。人間関係の厳戒地帯で生き抜いてきた処世術は一般にも使えるはず。全編4コマまんが付き、辛さがよくわかります。