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「一門に属さないと親方できない」規則は相撲協会の自由…外野から批判される筋合いはない

文=編集部、協力=山岸純/弁護士法人ALG&Associates執行役員・弁護士
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山岸弁護士の解説コメント

 団体内部の“決まりごと”については、とやかく言えないと思います。

 昔、「ある方が、ある宗教団体の役員から排除された際、役員の地位にあるかないか」が裁判で争われたことがありますが、裁判所は「『宗教の教義』が正しいかどうかについては判断しないけど、その役員の選任手続や解任手続が適法かどうかについては、役員の地位にあることが具体的な権利義務に関係するなら判断するよ」としました。要するに、「宗教の教義」が正しいかどうかは判断しませんが、手続にしたがって選任・解任したのかは判断するよ、ということです。

 これを前提とすると、「現在ある5つの一門のいずれかに所属しなければ、親方を続けられないという規則」は、相撲協会内の伝統やら「しきたり」やらの話でしょうから、「宗教の教義」に似たようなものです。したがって、裁判所も判断できないようなことを“外野”がどうのこうの言うのはおかしいのではないでしょうか。

 実際、私も先日、ご厚意をいただいているある部屋関係者からの招待で、初めて砂かぶり席で9月場所の初日を観てきたのですが、じっくりと観ていて、はっと気付いた、

・取り組みの直前、行事が正面の勝負審判に、周りに気づかれないように目線を送り、正面の勝負審判も周りに気づかれないように行事に「OK」のサインを送るシーン
・弓取りの際に、歩数をあわせるかのように調整しながら土俵入りしたシーン(正直、このしぐさはなんの意味か、まったく理解できませんでした)

など、一つひとつ挙げても伝統やしきたりの“かたまり”が大相撲といえると思います。

 確かに、状況からすると貴乃花親方を擁護したいという国民感情が大きいところです。

 しかし、「その団体の規則がおかしい」などと言い出したら、「各都道府県にある弁護士会に所属しないと弁護士活動を認めない。なお、各都道府県の弁護士会が、キミの所属を認めるかどうかは別問題だけどね」と定める弁護士ルールも、果たして正しいのか、“外野”から見ればおかしいのか、ということになりかねません。

 どうも「公益法人」という点にフォーカスした意見が相次いでいますが、もう少し「建設的な意見」が出ませんかね。

 例えば、貴乃花親方を中心に、親方を擁護する後援者や後援企業なんかも合わさって新しい「相撲協会」なんてのを構築・設立して、こっちのほうを盛り上げるなど、これまでのプロレス団体の歴史と同じようなことを考える方、いませんかね(プロレスと同視したことが“炎上”するなら、先に謝っておきます。でも、どっちも“興業”ですし)。
(文=編集部、協力=山岸純/弁護士法人ALG&Associates執行役員・弁護士

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