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沖田臥竜コラム

六代目山口組・高山清司若頭の社会復帰まで1年を切り、あの組織の勢力が拡大中

文=沖田臥竜/作家・元山口組二次団体幹部
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六代目山口組・高山清司若頭の社会復帰まで1年を切り、あの組織の勢力が拡大中の画像1六代目山口組内で出回った三代目弘道会への移籍報告書

 2010年11月京都市内の建設業者の男性に対して、恐喝事件を起こしたとして逮捕・起訴され、その後、実刑判決を受けた六代目山口組高山清司若頭(注:「高」は「はしご高」)。現在、東京・府中刑務所に服役している高山若頭の社会復帰まで、ついに1年を切った。

 服役中の高山若頭の健康状態について不安視する声も一部にはあったが、事情をよく知る関係者らは口を揃えて、「健康状態にはまったく問題なく、元気に過ごされている」と話している。

 高山若頭が社会に居れば、空前絶後の六代目山口組分裂騒動は起きなかったと多くの関係者は口にしていたのだが、では高山若頭が社会復帰を遂げれば、この分裂騒動に終止符が打たれるのだろうか。

「ヤクザに対しての警察当局の締め付けや社会情勢を鑑みた場合、武力によっての解決は困難となるのではないでしょうか。一方で高山若頭ならば、強硬手段を取ってでも、この分裂騒動を終わらせるのではないかという声もあります。また、高山若頭が出所してきても、状況は変わらないのではと話す関係者もいます。ただ、共通しているのは、どの関係者も高山若頭の社会復帰を強く意識していることです」(ヤクザ事情に詳しいジャーナリスト)

 世の中には、そこにいるだけで周囲の士気を変え、さまざまな影響を与えるという人物が存在する。著者が現役時代に何度か見た高山若頭とは、まさにそういった人物であった。

 ある公用でのことだ。それまで、六代目山口組直系組長らは最高幹部を含めて、思い思いに談笑していたのだが、そこへ高山若頭が姿を現すと、水を打ったように場は静まり返り、緊張で空気が張りつめるという瞬間を感じたことがあった。言葉を必要としないその力は、筆者のような枝の組員にまで伝播し、高山若頭という人がどれだけすごい親分であるかということを、肌身を通して窺い知ることができたのだった。

野内組へ移籍する勢力が増加

 昨今、六代目山口組系列組織に復帰する組員が増加し始めたことも、そういったことが関係しているのかもしれない。その裏付けともいおうか、六代目山口組司組長が創設させ、高山若頭が二代目を受け継ぎ、現在は六代目山口組若頭補佐でもある竹内照明会長率いる三代目弘道会が、勢力を拡大させ始めているというのだ。

「特に三代目弘道会傘下の(三代目弘道会統括委員長でもある野内正博組長が率いる)野内組への移籍が圧倒的に多く、その組織力はすでにプラチナ級(直参組織クラス)だといわれている。以前から本部事務所が立派なことでも有名で、高山若頭が社会復帰すれば、すぐさま直参へと昇格するのではないかとの声が上がっているほどだ」(六代目山口組関係者)

 分裂後、六代目山口組サイドで作成されたとみられる「移籍報告書」でも、他組織から野内組への移籍が多数を占めているともいわれており、構成員数、経済力だけではなく、他業界へのパイプも多方面に広がっているというのである。

「野内組長といえば初代高山組の出身で、当時は行動隊長を務められていた。その行動隊長時代には、地元・岐阜にはびこる不良外国人の追い出しに尽力されていたことは有名な話で、“岐阜県といえば野内組”といわれているほどだ。こうしたことから、地元政財界とのつながりも強いといわれてきた」(地元組織関係者)

 配下組織には、元二次団体であった組織や関東に本拠を置く有力三次団体も六代目山口組分裂後に移籍しており、これまでの実績からも、この関係者が話すように、分裂騒動に揺れる六代目山口組において、野内組に寄せられる期待は大きいようだ。

 高山若頭の出所まで1年を切り、着実に事は動き始めている。分裂騒動は最終章を迎えようとしているのだろうか。
(文=沖田臥竜/作家)

沖田臥竜/作家

沖田臥竜/作家

作家。2014年、アウトローだった自らの経験をもとに物書きとして活動を始め、小説やノンフィクションなど多数の作品を発表。小説『ムショぼけ』(小学館)や小説『インフォーマ』(サイゾー文芸部)はドラマ化もされ話題に。最新刊は『インフォーマ2 ヒット・アンド・アウェイ』(同)。調査やコンサルティングを行う企業の経営者の顔を持つ。

Twitter:@pinlkiai

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