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日本の「ごみ処理」が売られるⅠ(3)

東京3市のごみ処理民間委託で疑惑浮上…焼却炉改修工事、必要性を偽装し多額税金投入

文=青木泰/環境ジャーナリスト
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(3)議会や住民へ十分な説明がない

 当初、筆者や3市の住民が最大の疑問に感じたのは、柳泉園組合の年間事業費約20億円の過半以上を占める契約を結ぶにあたって、分担金を出す3市の議会や住民になんの説明もなく計画が進められようとしたことである。

 柳泉園組合のような一部事務組合は、独自の徴税構造を持っていないし、昭和病院や府中競馬場のように独自の収入源も持っていない。そのため、柳泉園組合において今後15年にわたり発生する毎年約10億円の支出の原資は、3市から拠出される分担金である。ところがその3市の議会には、この長期包括委託契約の提案や住民への説明が、行われなかったのである。

 住民監査請求の請求人である西東京市の森てるお議員は、「今回の契約は、支払い能力のない放蕩息子が巨額のローンを結び、その付けを親に負わせるようなものです」と語る。ちなみに3市の市民ら11名は、柳泉園組合に対して2016年11月に住民監査請求を行っている

隠されていた大規模改修工事

 柳泉園組合は、住民監査請求がなされた2016年秋には、長期包括契約の入札を行い、応札した2社(環境エンジニアリング、テスコ)の総合評価一般競争入札による審査に入っていた。この契約が3市を中心に問題化するなかでわかったことは、焼却炉延命化のための大規模改修工事が契約予定価格の6割も占めていたことである。「安くなる」というのは、その工事を従来の工事価格より安く計算した結果、全体として15年間で2~3割減るという話であった。しかし、それでは、もともと工事費が高かっただけではないかという疑問が残る。

 それに加え、この大規模改修工事は深刻な問題を提起することになった。焼却炉の建て替え工事に匹敵する大工事だが、柳泉園組合の焼却炉は2000年の建設時からまだ18年しか経過しておらず、15年の起債を支払い終えたばかりのピカピカの焼却炉である。しかも建設時には、30年の耐用年数と市民に説明してきた経過がある。

 そもそも大規模改修工事が必要なのか。もし必要であるとしたら、建設した焼却炉メーカー、住友重機械工業の工事責任が問われる。通常この種の改修工事を行う際には、工事の必要性を確認する調査を行い、故障箇所や不具合が予測される箇所を特定し、整備工事計画を立て、どこを整備しなければならないかを点検・調査する。ところが、その現状の焼却炉の点検・調査を行っていなかったのである。

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