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2014.02.14 00:03
2014.02.14 00:01
「【小説】巨大新聞社の仮面を剥ぐ 呆れた幹部たちの生態<第2部>」第63回
大地震後に自社からボランティアは出さず、説教だけはする巨大新聞社
「僕には発言する資格はないですけど、新聞記者にボランティアなんてやる奴はいないです。大企業はどこも人知れずやっているんですね」
「そうだよ。記者にも例外はいるかもしれんが、そういう奴はうち(日亜)なんかだと、会社に居られなくなってしまう」
「それはうち(大都)も同じです」
「その点、日本を代表するような大企業は違うぞ。CSRが大事だ、ってマスコミが騒ぐから、ボランティアに取り組んでいない大企業を探す方が難しい。でも、PRしたりすれば、週刊誌に揶揄されるから、黙っている」
「まあ、どうでもいいですけど、マスコミはボランティア、ボランティアって騒ぐ以上、自分たちが率先してやんなきゃだめですよ」
「こんな大手新聞、救済したって百害あって一利なしなんだ。でも、(太郎丸嘉一)会長はまた動き出すつもりなんだろう?」
(文=大塚将司/作家・経済評論家)
【ご参考:第1部のあらすじ】業界第1位の大都新聞社は、ネット化を推進したことがあだとなり、紙媒体の発行部数が激減し、部数トップの座から滑り落ちかねない状況に陥った。そこで同社社長の松野弥介は、日頃から何かと世話をしている業界第3位の日亜新聞社社長・村尾倫郎に合併を持ちかけ、基本合意した。二人は両社の取締役編集局長、北川常夫(大都)、小山成雄(日亜)に詳細を詰めさせ、発表する段取りを決めた。1年後には断トツの部数トップの巨大新聞社が誕生するのは間違いないところになったわけだが、唯一の気がかり材料は“業界のドン”、太郎丸嘉一が君臨する業界第2位の国民新聞社の反撃だった。合併を目論む大都、日亜両社はジャーナリズムとは無縁な、堕落しきった連中が経営も編集も牛耳っており、御多分に洩れず、松野、村尾、北川、小山の4人ともスキャンダルを抱え、脛に傷持つ身だった。その秘密に一抹の不安があった。
※本文はフィクションです。実在する人物名、社名とは一切関係ありません。
※次回は、来週2月21日(金)掲載予定です。
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