特定区間の鉄道をよく利用する人は、回数券を3月末にまとめ買いした。大半の鉄道会社の回数券は3カ月間有効であり、3月末に買った回数券は6月末まで使え、この間に乗車しても値上がり分となる差額の精算の必要がないからだ。
大型家具店の「ルームズ大正堂」では、税率5%のうちに購入した大型家具を最長で1年間預かるサービスを始めた。3月中に注文をして価格の10%以上を手付け金として支払うのが条件だった。これまで、リフォームや引っ越しをする客の都合に合わせて注文を受けてから一定期間、購入した家具を預かるサービスを行っていたが、このサービスで同社では“消費税特需”が発生した。
大手ハンバーガーチェーンのロッテリアは4月1日、フレンチフライポテトとドリンクを組み合わせた「ポテトMセット」などセットメニュー3種類を30円値下げした。消費者心理が落ち込む可能性がある増税時に割安感を打ち出すのが狙いだ。「ポテトMセット」は360円→330円に値下げするが、内容量を1割減らして90グラムにするという。チーズバーガーなどは価格を据え置くが、ブレンドコーヒーは10円高い210円とする。
●相次ぐ給食費値上げ
東京新聞が東京都内の自治体に対して小中学校の給食費の扱いについてアンケート調査したところ、53区市町村のうち半数を超す28区市町が、新年度に小学校で値上げすることが判明した。さらに28区市町のうち25区市町は、中学校でも値上げする。
給食費は大半の自治体が「小学1、2年」「3、4年」「5、6年」「中学」の4段階で値段を設定している。小学校「3、4年」でみると、値上げ率が最大なのは福生市の9%で月額3850円から4200円になる。次いで町田市が8.8%、文京区と日の出町が6.4%。小平市5%の順。
「中学」では日の出町の10%が最大で、月額4500円から4950円に上がる。次いで文京区と小平市で7.6%、多摩市の5.7%の順。値上げの理由は消費増税と食材費の値上がり。江戸川区、三鷹、清瀬の両市は「一定の期間、給食費を据え置いてきたこと」を値上げの理由に付け加えている。
「小学校」で据え置くとしたのは港、世田谷の両区と八王子、府中、日野市などで、保護者負担増を避けるとしている。仕入れや献立を工夫して乗り切る。品川区は「産地直送を活用し、魚は価格が比較的安定しているものを選ぶ」としており、中野区では「栄養価を落とさぬよう、食材の調達を工夫する」という。