据え置くものの、国立市など今後の値上げに含みを持たせたところが6市町あった。国立市は「消費税が10%に引き上げられたら影響が多大。改定が必要」としている。値上げするかどうか検討中としたのは豊島、荒川の両区と国分寺市の3区市だった。
生活保護世帯やそれに近い経済状態の準保護世帯で義務教育の子供がいる場合は、学用品や給食費などを支給する就学援助制度があるとはいえ、4月からの給食費の値上げは一般家庭でも痛い。「電気・ガスの5月からの大幅な料金値上げと給食費のアップが、家計に打撃を与える」と、ある主婦は語る。東京電力の一般家庭の電気料金は、5月から過去最高の水準になる。
●低価格の「ファスト雑貨」も広がる
こうした物価上昇圧力を受け、流通業界では、低価格を求めるニーズに対応する新しい動きも出ている。例えば、北欧発「ファスト雑貨」の相次ぐ日本上陸だ。生活雑貨を低価格で販売する北欧系の大手チェーンで、ファストファッションの生活雑貨版である。
デンマークのフライング タイガー コペンハーゲンは3月14日、ららぽーとTOKYO-BAY(千葉県船橋市)に日本3号店を開いた。文具、寝具、食器など2000種類を、国内大手生活雑貨チェーンの3分の1の価格で提供する。同社は12年7月に日本に進出し、年内に国内7店舗を目指す。
同じくデンマークのソストレーネ・グレーネは13年12月、イオンモール幕張新都心(千葉市)に日本初出店した。13年10月に日本進出を果たしたスウェーデンのラガハウスは、今後3年間で国内30店舗が目標だ。洗練されたデザインで知られる北欧の雑貨は日本でも人気がある。海外では、雑貨でもファストファッション型の業態が急成長している。
今回の消費増税は、一般消費者の家計、そして各業界に、実際にどのような影響を与えるのか。今後、徐々に明らかになっていく。
(文=編集部)