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地方沈没?大都市との格差鮮明 食品スーパーの地域別業績の大きな格差から読み解く

文=寺尾淳/ジャーナリスト
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 勤労者の収入の増減はアベノミクスの影響だけとは限らないが、結果として大都市圏と地方の収入に差がつき、それが個人消費の活発さの差になり、地域産業の活気の差につながっていく。食品スーパーは地域の農漁業の出荷先としても、商業や物流の核としても、パートなど雇用の受け皿としてもけっこう大きな存在なので、地域経済に与える影響は決して小さくない。その業績は、地元の経済情勢を推し測る“リトマス試験紙”のようなものだと言っても、決して過言ではないだろう。

 地域格差は、昨年12月の衆議院議員総選挙で選挙区の有権者の生の声に接した安倍内閣も十分認識しており、その是正は第三次安倍内閣の経済政策の最も重要なテーマになっている。「地方創生(ローカル・アベノミクス)」は、アベノミクス第2弾の大きな柱に位置づけられ、4月9日に成立した15年度本予算では約1兆円の予算がついた。4月の統一地方選挙を経た後、各地方自治体では政府の「地方創生交付金」を利用した「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の具体的な政策がどんどん出てきそうだが、その構想の中には地域限定のプレミアム付き商品券のように、消費を刺激して地域の小売業を盛り立てようとするものもある。商品券はその効果について賛否両論があるが、ないよりはましだろう。

 地域の消費生活に密着した食品スーパーの月次の販売動向や業績は、注目すべきポイントだ。
(文=寺尾淳/ジャーナリスト)

【スーパーマーケット販売統計調査】
(日本スーパーマーケット協会、オール日本スーパーマーケット協会、新日本スーパーマーケット協会加盟店)

「エリア別の既存店売上高(前年同月比)」

・13年4月~14年3月(306社/速報値)
北海道・東北 +0.6%
首都圏 +1.0%
北信越 +0.9%
東海 -0.9%
関西 -0.3%
中国・四国 +0.5%
九州・沖縄 +1.4%

(以下、285社/確報値)

・14年3月
北海道・東北 +7.2%
首都圏 +7.7%
北信越 +5.8%
東海 +2.9%
関西 +5.7%
中国・四国 +7.5%
九州・沖縄 +10.2%

・14年4月
北海道・東北 -5.6%
関東 -2.4%
中部 -3.0%
近畿 -3.5%
中国・四国 -4.3%
九州・沖縄 -4.8%

・14年5月
北海道・東北 -0.6%
関東 +3.3%
中部 +0.2%
近畿 -2.1%
中国・四国 +0.1%
九州・沖縄 -0.2%

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