全期間固定金利型なのに変動金利型並み金利?
住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して実施されている、「フラット35」という住宅ローンをご存じでしょうか。完済までの金利が確定している全期間固定金利型なので、変動金利型などのように借入後に予定外の返済額増額などのリスクがないので、安心して利用できます。
ただしその分、変動金利型などに比べると金利は若干高いのですが、いまなら「フラット35S大幅金利引き下げ」が実施されていて、全期間固定金利型なのに変動金利型並みの金利で借り入れが可能です。
その大幅金利引き下げの適用期間が、16年1月29日までに迫っています。上手に利用すれば、完済までの総返済額が数百万円も少なくなる制度だけに、いずれマイホームを考えている人なら、なんとか期限までに間に合わせたいところです。
返済額が234万円も減少
何より図表1をご覧ください。この制度の適用条件などの細かなことを紹介する前に、実際にどれくらいトクできるのか、数字からみておきましょう。それを知れば、ぜひとも利用したくなるはずです。
通常のフラット35の12月現在の金利は1.55%です。借入額4000万円、35年元利均等・ボーナス返済なしだと、毎月返済額は12万4000円。これが35年間続くので、総返済額は約5186万円になります。
これに対して、「フラット35S金利大幅引き下げ」なら、当初10年間金利が0.60%引き下げられます。つまり、0.95%と1%以下で民間の変動金利型並みの低金利になります。同じ条件で4000万円借り入れると、毎月返済額は11万2000円。通常のフラット35より1万円以上少なくなります。35年間の総返済額は約4952万円ですから、通常のフラット35に比べて総返済額が234万円も少なくなります。
総返済額軽減効果は378万円に
上の試算は、借入額が購入価格の9割以下の人に適用される金利をもとにしたものです。フラット35の金利は、自己資金が1割以上ある人と、1割未満の人では適用金利が異なるのです。
では、自己資金が1割未満、またはゼロで購入価格の9割超、もしくは全額の融資が必要な人はどうなるのかといえば、2015年12月の金利は1.68%です。しかし、「フラット35S金利大幅引き下げ」なら、当初の金利は1.08%になり、毎月11万円台の返済額で、35年間の総返済額は約5057万円です。
これが、1月29日を過ぎて2月以降の申し込みになると、本来の金利1.68%が適用され毎月返済額は12万円台で、総返済額は約5435万円。「フラット35S金利大幅引き下げ」に比べると、なんと378万円も多くなってしまいます。特に自己資金の乏しい人は、この制度を利用しない手はありません。