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榊淳司「不動産を疑え!」

地獄の老朽化マンション建て替え問題!住民負担は2千万円、ひたすら廃墟化…

文=榊淳司/榊マンション市場研究所主宰、住宅ジャーナリスト
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 立地が一等地であったなら、新たな住戸の販売にはなんの心配もなかったはずだ。ところが、郊外の駅から離れた場所にあるマンションだと、販売面での不安がある。よって、たとえ容積が余っていても立地条件の良くないマンションの建て替えは難しい。例えば、1970年代に開発されたニュータウン内のマンションの場合、駅に近い物件には多少の望みはあるが、バス便案件になると絶望的である。

 したがって、マンションの老朽化を建て替えによって解決する、という選択肢は一部の幸運な物件にしかありえないレアケースなのである。

 では、これからますます増えていく老朽マンションはどうなっていくのか。

 結論からいえば、今の法制度が続く限りにおいて、地方や遠隔郊外に立地するマンションは「スラム化」「廃墟化」への道を進まざるを得ない。都心の好立地にあるマンションは修繕などによってできる限り老朽化を食い止め、ひたすら延命を図ることになるだろう。
(文=榊淳司/榊マンション市場研究所主宰、住宅ジャーナリスト)

榊淳司/榊マンション市場研究所主宰、住宅ジャーナリスト

榊淳司/榊マンション市場研究所主宰、住宅ジャーナリスト

不動産ジャーナリスト・榊マンション市場研究所主宰。1962年京都市生まれ。同志社大学法学部、慶應義塾大学文学部卒業。主に首都圏のマンション市場に関する様々な分析や情報を発信。
東京23内、川崎市、大阪市等の新築マンションの資産価値評価を有料レポートとしてエンドユーザー向けに提供。
2013年4月より夕刊フジにコラム「マンション業界の秘密」を掲載中。その他経済誌、週刊誌、新聞等にマンション市場に関するコメント掲載多数。
主な著書に「2025年東京不動産大暴落(イースト新書)※現在8刷」、「マンション格差(講談社現代新書)※現在5刷」、「マンションは日本人を幸せにするか(集英社新書)※増刷」等。
「たけしのテレビタックル」「羽鳥慎一モーニングショー」などテレビ、ラジオの出演多数。早稲田大学オープンカレッジ講師。
榊淳司オフィシャルサイト

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