3年後に完成する新築マンションを今買うのは危険?ローン月5万増、資産価値暴落の恐れも
ただ、6月現在、マンション市場の潮目に変化の兆しがみられるのも事実です。今年に入ってから、首都圏や近畿圏の新築マンション市場では、価格引上げのタイミングを見据えながら販売を先送りにする傾向が強まり、月間の新規販売戸数は前年割れが続いています。販売戸数が減れば、一定の需要がある限り契約率が高まるものですが、現実には好不調のボーダーラインといわれる70%を切ることが多くなっています。
昨年まではマンション価格が高くなっても、もっと高くなるだろうという先高感が強く、好調な販売が続いてきました。しかし高くなりすぎた結果、消費者がついていけなくなりつつあることを背景に先高感が弱まり、様子見傾向が強まっているといっていいでしょう。
ミニバブル期は3年で943万円上昇
そこで参考までにこれまでの新築マンション価格の推移を振り返ってみましょう。
バブルに駆け上がる1985年から2015年までの首都圏、近畿圏の平均価格の推移をグラフにしてみました。首都圏の例でみると、バブル期には1984年の2401万円から1991年には6159万円まで上がりました。7年間でなんと3758万円もアップしたのです。
92年以降は失われた20年に入り、長く低迷が続きます。しかし、03年の3748万円を底にミニバブルが始まり、07年には4691万円まで上がりました。4年間で943万円の上昇です。
その後、リーマンショックもあっていったん価格は下がったものの、12年の4241万円を底に再び上がって、15年の平均は5183万円でした。16年の平均がどうなるのかはわかりませんが、この3年で942万円上がった計算です。前回のミニバブルが4年で943万円の上昇でしたから、バブル期のような活気があるわけではない現状では、そろそろ転換点を迎えてもおかしくありません。
いや、むしろ転換点が近い、潮目の変化が近づいている――そう考えるほうが妥当なのではないかという気もします。
下がるときの下落速度はどうなのでしょうか。バブル崩壊後の下がり方はまあ例外として、ミニバブル後には07年の4691万円から、3年後の10年に4367万円まで下がっています。その後の底は12年の4241万円ですが、3年後にはピークから6.9%下落し、5年後の底値では9.6%、ほぼ1割下がった計算です。